NTTデータ(浜口友一社長)は6月9日、イントラネットに接続されている一般のPCの余剰性能を、ネットワークを通じて手軽に統合連携利用することができる「cell computing BOX」の販売を開始した。
これまでのいわゆる「グリッド」のソフトウェアは、特定計算向けの専用グリッドシステムを開発するためのミドルウェアやツール群であり、利用するためには、専門家によるシステム開発が必要だった。新製品は、こうした「敷居の高さ」をなくすため、サーバーハードウェアにあらかじめ必要なソフトウェアをインストールし、すぐに利用できる「ターンキーシステム」として商品化したのが特徴。
同社が02年12月から03年4月まで実施したインターネット型実験システムで採用した米United Devices社の技術をもとに、ユーザーがシステム開発を行うことなく、身近にあるPCをそのまま簡単にグリッドシステムとして利用できることを目的に開発した。DBなど、必要なソフトウェアもあわせて、サーバーハードウェアにバンドルして提供する。
そのため、ユーザーは、「cell computing」で計算処理を行わせるPCにメンバーソフトウェアをインストールするだけで、PCによるグリッドシステムが利用可能となる。
これにより、機能的には、昨年1月に販売された一般向けスタンダードPCを100台連携させることで、135Gflops(理論値)を実現し、現在数億円程度のハイエンドマシンと同レベルの処理能力を発揮できる。価格は、 PC(Windows)を100台まで利用できる標準セットで850万円。今年度内、バイオ分野を中心に20セット程度の販売を目標としている。
あわせて、「cell computing」の需要が多いバイオ関連のアプリケーション(アクセルリス社製)2種類をバンドルして提供する。バンドルするのは、
また、Microsoft Excelで計算アプリケーションを作成できる連携キットを9月末までに提供する予定。Excelと連携動作させることで、新たなプログラミングや開発者のサポートがなくても、計算式や諸条件を変更して大量データの計算結果を確認するといった利用が可能になる。同社では、これにより、バイオ分野だけでなく、業種、業界を問わず、幅広い分野でグリッドシステムの活用が期待できるとしている。
今後、Clustal-Wや他の分野のアプリケーションのバンドルに加え、ユーザーが自らアプリケーション開発できるよう、Webなどによる情報提供なども行っていく。
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