--サービス指向アーキテクチャ(SOA)について、しきりにお話をされていますね。IBMをはじめとして、他社でも同様にSOAを打ち出しています。これに関して、BEAに独自性があるとすれば、何でしょうか。
われわれは実際に本物を持っています。まったく一から構築した、SOAをプラットフォームとする製品が現実にあります。これらの製品はすべてはじめから統合されています。箱から取り出して、そのまま使えるようになっており、簡単にSOAベースのアプリケーションが実装できます。これに対して、他社の製品はどれも、ひとつのブランドの下に多数のアプリケーションを寄せ集めたものに過ぎません。そうしたものは本物とはいえないでしょう。この違い自体がすでに差別化要因といえます。
--しかし、現時点ではSOAはまだ非常に技術的な話題にとどまっているようです。各社のCEOは、おそらくSOAを話題にはしていないでしょう。
なかにはSOAに注目している人もいますよ。ですが、彼らが話題にしているのは、企業の適応能力の向上です。自社が顧客に提供するオンラインサービスについて、顧客の理解が深まっていることは、みんな理解しています。この観点から、各社のCEOは、状況の変化に素速く対応できるようにする技術の価値を理解しています。そうした技術が競争上の圧力だからです。そのため、たとえば、リテールビジネスを中心とする銀行がオンラインバンキングを提供していなければ、生き残るのは難しいでしょう。彼らにはそのことが分かっています。
--IBMやMicrosoftには、企業顧客への売り込み方がたくさんあります。人脈についても、製品についてもそうです。BEAにとって、この点が問題となっていますか。
私がこのビジネスを始めるまでは、そうした問題が実際にありました。わが社の顧客はすべて、以前はIBMの顧客でしたし、いまでもいつ乗り換えられてしまうかわかりません。かつては、IT企業といえば事実上IBMしか存在しないという時代がありました。そのことを忘れるわけにはいきません。独占状態にある1社が、すべてを提供していたわけです。こうした状態にある会社は怪物といえます。われわれは、この問題を乗り越えなくてはなりませんでした。Oracleでも同様だったでしょうし、他の企業もみなこの問題を乗り越えて成長したはずです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」