BBCは今週、過去に放映したテレビ番組を英国のインターネットユーザーに公開する計画を明らかにし、クリエイティブ・コモンズの活動を大きく後押しすることとなった。
BBCは「Creative Archive」と呼ばれる取り組みを通じて、保有するテレビ番組のデジタルクリップを、ユーザーがダウンロード/配付/修正できるようにすることを決めた。
ユーザーがこれらの素材を再販することはできないが、多くの潜在ユーザーが実質的にライセンス料を支払ってBBCに制作させたコンテンツを、これまで以上に利用できることになる。
クリエイティブ・コモンズのライセンスでは、コンテンツの制作者が自分の作品の複製、その派生物の制作、あるいはその商用目的での利用の可否を決定できる。これは、コンテンツの所有者に著作権の完全な放棄もしくは保護のいずれかを選ばせるものではなく、その妥協点を見いだそうとするものだ。
クリエイティブ・コモンズ・プロジェクトの会長職を務めるLawrence Lessig教授は、BBCの今回の決定を歓迎している。同氏はクリエイティブ・コモンズの推進で大きな役割を担ってきた人物だ。
Lessig教授は、Creative Archiveが英国におけるデジタルコンテンツ市場の発展を大きく後押し、また高速インターネット回線の普及やさらに高性能なPCの導入につながる可能性があると考えている。
「BBCがCreative Archive構築の意思を表明したことは、デジタルメディアでの創作活動に関する可能性を人々に理解してもらい、またこのような可能性がアーチストや芸術的な創作活動を実際どのようにサポートするかを示すものとして、これまでで最も重要な出来事だ」(Lessig教授)
Lessig教授はさらに、「このビジョンが実現されれば、英国はデジタルメディア制作の中心となり、ブロードバンドの普及や技術でデジタルメディアでの創作活動がサポートすることになる多くの市場を牽引していくことになる」と語った。
BBCは、Creative Archiveを今秋に公開する予定で、ユーザーは当初実録番組にしかアクセスできないものの、将来的にはコンテンツの種類を増やすとしている。
BBC Creative Archiveの共同ディレクターPaula Le Dieuは、「われわれのアプローチが成功すれば、スポーツ、音楽、ドラマなど、もっと多くのジャンルの番組を徐々にリリースし、長編ものも一般に公開できるようになるかもしれない」と語った。
「われわれは、BBC Creative Archiveの立ち上げ時に公開した当初の実録番組を基盤として、放送コンテンツから集めた新たな公共の資産を英国全体に提供できる可能性もある」(Le Dieu)
現時点では、BBCは採用するクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの詳細を明らかにしていない。また、このアーカイブの利用を英国のユーザーに限定するか、するとすればどのような手段を講じるのかについても、まだはっきりしていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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