メリーランド州ボルティモアの連邦地裁判事はMicrosoftに対し、同社社内のコンピュータやアーカイブを調べて、トップ幹部が古い電子メールを破棄するように命じた証拠につながる情報を探すように要求した。
連邦地裁判事J. Frederick Motzは20日(米国時間)、Windows GroupバイスプレジデントのJames Allchinが2000年1月に、30日以内に過去の電子メールを破棄するよう命じる電子メールを送信したとして、Microsoftに対し、これに至った議論の記録を探すように命令した。
Microsoftを特許侵害で訴えている新興会社Burst.comの弁護士は、Microsoftが以前、米司法省や他の訴訟相手に利用され得る不利な証拠の破棄する方針をとり、Allchinの電子メールもそれを命じるものだったと主張している。Microsoftは法廷で、電子メールを破棄するという方針の一部は、社内のIT部門が定めたものだと反論する。
「IT部門の人間が、電子メールの記録を破棄する方針を決めたということはありえない」とBurst.comの弁護士Spencer Hosieは述べ、「最高幹部レベルで話し合いが行なわれなかったはずはない」と付け加えた。
Microsoftの訴訟相手らは反トラスト法違反やそのほかの訴訟で、Microsoftの社内メールに関する疑問を度々持ち出して、同社の面目をつぶしてきた。電子メールの破棄についてMicrosoftが採用していた方針が明らかになれば、Burst.comだけでなく、別の訴訟でMicrosoftを訴えているRealNetworksなどにも影響を与える可能性がある。
昨年、MotzはMicrosoftに対し、Burst.comに言及した可能性のあるメールを社内で破棄した証拠を探すよう命じている。Burst.comは同社が特許を保有する音声/映像のダウンロード技術が、MicrosoftのデジタルメディアソフトウェアWindows Media 9で盗用されたと訴えている。またBurst.comは、この件に関連するかなりの量のMicrosoftのメールが、裁判記録に載っていないと主張していた。
Microsoftの広報担当Jim Deslerは、同社はBurst.com訴訟において、これまでも50万件以上の文書を献身的に法廷に提出してきたが、今回もMotzの要求に従うと述べた。
「(Allchinの電子メールの件は)Burstの訴訟で持ちあがった問題だと考えており、判事はこの件にいくつか疑問を持っている。われわれは、この問題の背景をより正確に説明できる・・・情報を、法廷に提出したいと考えている」(Desler)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス