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ビル・アトキンソンの今、Appleの今 - (page 2)

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年06月11日 17時00分
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---現在、何か注目している技術があれば教えてもらえませんか。

 いくつかある。まず、コンピュータにはもっと優れたユーザーインターフェースが必要だと考えている。キーボードやマウスはもういらない。私が考えているのは、TouchPlateというソリューションだ。

アトキンソン氏が考案した入力インターフェース「TouchPlate」(クリックすると拡大します)

 TouchPlateは表面が平らで、優しくなぞればセンサーが感知するシステムだ。タイプするんじゃなくてタッチする。書かれた文字をなぞれば、自由に、そしてスムーズに入力ができる。特によく使う単語のアルファベットは近いところに置いておく。例えばt、h、eを横に並べれば、横になぞるだけでtheと入力できる。

 現在のキーボードは細長くて、ノートパソコンの場所を取ってしまう。TouchPlateではノートパソコンのキーボード面がすべてセンサーになる。

 センサーは透明で、その下に紙で印刷した文字を差し込む仕組みになっている。これは完全なオープンシステムで、紙を入れ換えれば簡単に文字の配置を変えられる。レイアウトデータをEメールで交換することも可能だ。漢字などにも対応できるだろう。

 よく使う文章は速く入力できるように文字を並べておくこともできるし、繰り返して使う単語なら何度も並べてもいい。そういう意味では使う人の癖にもとづいて、いろいろなレイアウトがあると思う。オープンソースのようにみんなで改良していってもいい。

 個々のボタンがないから、今のキーボードの3倍以上の文字が置けるだろう。将来的には紙ではなくてアクティブディスプレイになって、状況に応じて変わるようになる。そうしてすべての面がセンサーになれば、直接操作したい部分に触れればいい。これはマウスで操作するよりずっと自然なインターフェースだ。Tablet PCは画面が1つしかないが、ノートパソコンのように折りたためる形で2面ディスプレイというのも考えられるし、本のように横に開く形だってあり得る。

 2つ目は高解像度の大型ディスプレイだ。色の深さや色彩領域も広くて、輝度もコントラストも高く、高精細の画像を表現できる。まるで窓の外を見るかのようにイメージを見られるものだ。そうなれば写真を紙に印刷しなくても、ディスプレイに表示すればいい。自発光型だから照明を当てる必要もないし、気分に応じて写真を変えることができる。

 3つ目は「Coded Aperture Imaging(符号化開口結像法)」という新しい写真技術だ。これは革命的な技術で、レンズを置き換えるものだ。

 今の写真技術では、カメラのセンサーに光を集約させるためにレンズを使っている。ただ、レンズには2つ問題がある。1つは焦点が1カ所しかないこと。もう1つは色収差(光の色ごとに焦点の位置が異なるために色がにじんでしまう)問題だ。色はそれぞれ違う波長を持っていて、通常は色収差を防ぐために何枚ものレンズを重ねて補正している。私は40万円もするレンズを使っているが、それでも色収差は起きてしまう。

 Coded Aperture Imagingはピンホールカメラ(レンズを使わず、箱にあけた小さな穴から入った光を印画紙に焼き付ける技法)の原理を利用したものだ。

 ピンホールカメラではこれまで、光の量をあまり集めることができないという問題があった。そこでピンホールの穴を1つではなく、複数にすることで光量をカバーする。何枚もの像が重なって写るが、これをデジタルセンサーに集めればデジタル処理で1つの像にできる。すでに基礎技術はできていて、製品化を待っている状態だ。

 この技術は写真に革命をもたらす可能性がある。この技術ならならピントを心配する必要もないし、高価なレンズもいらなくなる。

---今後の活動について聞かせて下さい。

 私はこの4年間、今回の写真集の制作に没頭してきた。これからしばらくの間は米国の出版社との契約で、本のPRのための講演会やサイン会、展示会などに打ち込むことになる。

 それが一段落したら、次の写真集に取り組む予定だ。今回の『WITHIN THE STONE』は石の写真集だが、私は木や花などの自然を扱った風景写真も数多く撮っている。今度は自然の写真集を出したいと思っている。それには私の写真をすべて収めたDVDを付けるつもりで、スライドショー式で私のすべての写真が見られるようにしたい。また、音楽家に協力してもらって作品のために曲を作ってもらい、音楽と写真を組み合わせた作品にしたいと思っている。

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