サンフランシスコ発--Apple Computerは、Mac OS Xの新バージョンを今後も迅速にリリースしていく計画だが、ここ数年維持してきたアップデートのペースを今後も続けていくことは難しくなりそうだ。
Appleは、2001年にMac OS Xの最初のバージョンを発売して以来、これまでに3度アップデートをリリースしており、来月に開催する開発者向けのカンファレンスWDCでは、新バージョンのMac OS X(コード名「Tiger」)を披露する予定だ。
しかしAppleの最高ソフトウェア技術責任者Avie Tevanianは、サンフランシスコで開催中の「2004 SIIA Enterprise Software Summit」での講演で、「われわれは、このペースを若干緩めようとしている.....これは維持できるペースではないためだ。しかし今後も、非常に速いペースでアップデートを出していくだろう」と語った。Tevanianは以前、OS Xの開発を率いていたが、昨年昇進して、現在はより広範囲のソフトウェア開発計画を監督している。
AppleはまだTigerの出荷時期については言及していない。
これと対照的に、MicrosoftのWindowsの大型アップデートは、2001年に発売されたWindows XPだけだが、同社はそれ以外にWindows XPのTablet PCおよびMedia Centerバージョンや、まもなくリリースされるService Pack 2などのアップデートを追加している。Windowsの次期大型バージョン「Longhorn」(コード名)のリリースは、2006年半ばになる見込みだ。
Tevanianは講演のなかで、製品を企業向けに使いやすくすることにおいてAppleは大きな進展を遂げたと述べた。しかし、同社の製品が企業ユースに耐えるものとして認識されるまでには、時間がかかるだろうとも述べている。
「我々はここ数年、企業向け市場でのビジネスがふるわなかった。わが社の製品が企業にとって最良のものだと思われるとは期待していない」(Tevanian)
Appleは近年、新たにサーバやストレージ機器をリリースしたほか、クラスタや高性能コンピュータ分野にも進出している。Tevanianは、今後もさまざまな計画が予定されているとし、Appleにはサーバの管理機能改善やストレージの値下げで、企業向け市場でのチャンスがあると述べた。しかし大半の企業は、まずApple製品を試し、それに慣れる必要がある、とTevanianは指摘している。
「われわれの目下の目標は、みんなにまず試してもらうことだ。実際に試してみて、しかも先入観のない人の多くは、嬉しい驚きに出会えるだろう」(Tevanian)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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