Hewlett-Packard(HP)は米国時間10日、無線ICタグプロジェクトの開始を目指す企業向けのサービスを公開した。
HPが投入したのは3つのパッケージで、これらを組み合わせてパイロットプログラムのパッケージを作成する。これらのパッケージは、それぞれプランニング、立ち上げ、統合というRFIDプロジェクトの3つの段階に焦点を当てたものとなっている。
RFID Discoveryという1つめのパッケージは、同技術の採用に向けた業務事例の要点をまとめたり、既存のサプライチェーンの業務に無線タグを追加したときの影響を計測する段階で企業を支援する。
RFID Adaptive Starter Kitという2つ目のパッケージは、無線タグ、タグをスキャンする読み取りデバイス、そしてこれらのツールを連携させるために必要なソフトウェアの調達など、企業が実際にテストプログラムを構築するのを支援する。
HPはさらに、RFID Readiness Assessment and Roadmap Planningという3つ目のパッケージによって、無線タグを利用する際に発生する統合やデータ管理の問題への対応も支援する。
無線ICタグ(RFID)はアンテナを搭載し、これを貼付した製品の詳細な情報を提供する。業界の多くの観測筋は、RFIDを採用すれば在庫の追跡効率が上がり、コストの削減と供給関連の問題修正に役立つと主張している。
HPは、RFID市場が2008年には30億ドル規模以上に成長すると試算しているが、大手IT企業としては一番遅れて今後有望な同分野に製品を投入したことになる。先週には、Sun Microsystemsとコンサルティング会社のCapgeminiが、RFID試験プロジェクトの構築を進める企業に対応したソフトウェア・サービスパッケージを投入している。IBMもRFID分野で存在感を確立しており、ライバル各社と同様のツールを多数発売している。
HPの幹部は、世界最大の小売りチェーンWal-Mart Storesが現在進めるテストプログラムへ参加しており、これを通じて得たRFIDユーザーとしての経験から、同社にはライバルに対して明確な強みがあると主張している。Wal-Martは、HPを含む大手納入業者8社と共に、今月初めから大規模なRFID試験を開始している。Wal-Martは取引業者上位100社に対し、特定の配送センターや店舗向けの商品に1月を期限としてRFIDタグの貼付を開始するよう求めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス