シアトル発--Microsoftは、ノートPCをより強力にし、同時に携帯DVDプレイヤーのような家電製品と同様の使いやすさを実現するため、次期バージョンのWindowsに複数のノートパソコン専用機能を追加することを検討している。
Microsoftではこの目標を達成するために、映画や音楽などのメディアファイルをすぐに再生できるよう、そのためのユーザーインターフェースを別途用意する可能性について検討を加えている。同社はさらに、PCの使い勝手を家電製品に近づけるため、Windowsにログインしなくてもメディアファイルにアクセスできる方法も模索している。
MicrosoftのMobile PC部門ビジネス開発マネージャーMatti Suokkoは5日(米国時間)、シアトルで開催中の「Windows Hardware and Engineering Conference」(WinHEC)で行われたTablet PCディスカッションの席上で、「われわれは、非常に素早くアクセスできる方法を検討中だ」と語った。
Suokkoは次期Windows「Longhorn」向けに検討されている、この他一連の機能の概要も明らかにした。MicrosoftはLonghornを、2006年中頃にリリースしたいと考えている。今回発表された他の拡張には、複数ディスプレイのサポートの改善や、一時的にワイヤレスネットワークを構築する機能などがある。またSuokkoは、デスクトップマシンやノートPC、携帯音楽プレイヤー、リムーバブルストレージカードなどの機器間で情報を常に最新の状態に保つ、集中管理型の同期エンジンのデモも行った。
Suokkoは、今回説明したアイディアはすべて今後も変更される可能性があり、多くはまだコンセプトの段階にあると強調した。しかしSuokkoのこのコメントは、Longhornで導入を検討している機能に関して、Microsoftがこれまで明らかにしたなかで最も明確なビジョンといえる。
同社はLonghornで、主に3つの大きな新技術に取り組んでいる。それは、新グラフィックエンジン「Avalon」と、「WinFS」という新ファイルシステム、そして改善されたWebサービスベースの通信サブシステム「Indigo」だ。
Microsoftが今年の同カンファレンスでかなりの時間を割いている分野の1つは、複数ディスプレイ対応の可能性だ。複数ディスプレイという言葉には、複数のモニタの場合も、モニタとそれを補う小型ディスプレイの場合も含まれている。
同社では、外部モニタが利用できる場合、ノートPCを外部モニタにごく簡単に接続できるようにしたいと考えている、とSuokkoは語った。「こうした技術はすでにあるが、今はまだやや複雑だ」(Suokko)
IDCのアナリストAlan Promiselは、Microsoftのこうした動きについて企業ユーザーを意識したものだと述べている。従業員に対してノートPCを支給する企業がますます多くなっているが、こうした企業ではまだ使えるのに放置されているCRTモニターがたくさん存在するという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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