米国時間27日に発表された第1四半期の調査結果によると、ベンチャーキャピタル(VC)の投資先として、ソフトウェア分野の企業がトップの座を奪回したという。
この「MoneyTree Survey」という調査報告は、PricewaterhouseCoopers、Thomson Venture Economics、National Venture Capital Association(NVCA)の3社が共同でまとめたものだが、それによるとソフトウェア企業が2004年の第1四半期に集めた投資額は合わせて9億5600万ドルとなり、前年第1四半期の8億4300万ドルを上回ったという。
2000年以来打撃を受け続けてきたハイテク業界にとって、このの増加は良い前兆といえる。
ソフトウェア分野は、2003年第3四半期・第4四半期と2期連続してバイオ技術にトップの座を譲ってきたが、2004年の第1四半期にはトップに返り咲いた。
「これまでの何期かで、VCの活動が回復してきており、IT分野への投資がその中核となっている」とPricewaterhouseCoopersのTracy Lefteroffは述べている。
ソフトウェア分野では、コンテンツマネジメント、サプライチェーン、ワークフロー管理、セキュリティおよびスパム対策アプリケーションを提供するベンチャー企業が、投資家からの関心を集めているとLefteroffはいう。
投資額の増加に関して、特定の牽引役となるカテゴリがなかったソフトウェア分野に対し、通信分野は明らかな先導役が存在した。
同分野への投資増加の主要な原動力となったのは、ワイヤレス関連の技術を開発する企業で、第1四半期の投資総額は前年同期の4億7800万ドルから5億4700万ドルに増加した。
「通信分野では新たに11の企業が投資を受けており、その全てがワイヤレス分野の企業だ」(Lefteroff)
ITサービスやコンピュータ、周辺機器の分野も、第1四半期に投資額が増加している。
ITサービス分野は第1四半期に、前年同期比20.6%増となる、総額2億5170万ドルの投資を受けた。一方コンピュータおよび周辺機器を扱うベンチャー企業への投資総額は1億7930万ドルで、前年同期比43.6%の増加となっている。
しかし、Lefteroffはコンピュータおよび周辺機器の分野をホットな分野と分類することに注意を促している。これらの分野への投資総額は、VCが業界全体に投資した総額に比べて、わずかなものでしかないというのがその理由。VCが第1四半期に業界全体に投資した総額は46億ドルで、前年同期の42億ドルから増加している。
第1ラウンドの投資を受けた企業の受取金額は総額46億ドルのうち19%を占め、これは前年同期とほぼ同じレベルだった。
ソフトウェアのベンチャー企業が集めた投資金額は、第1ラウンドの投資金額全体のほぼ3分の1だった。これは金額にして2億7900万ドルで、2003年第4四半期と比較して50%の増加となる。一方、通信業界は8190万ドルを集め、全体の9%を占めた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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