SCO Groupに2000万ドルを投資している米の投資会社BayStar Capitalが、SCOに対してこの資金を返却するよう求めている。SCOは、自社の所有するUnixの著作権をLinuxが侵害しているとして、多額の費用を使って訴訟を起こし議論を巻き起こしているが、BayStarではこのSCOの動きを問題視している。
SCOが米国時間16日に発表した声明によると、BayStarは15日SCOに書簡を送り、「BayStarが投資したSCOのSeries A-1転換優先株2万株をただちに償還」するよう求めたという。これに対してSCOは、BayStarの償還要求の根拠を否定し、BayStarが所有する1種類の優先株を別の優先株に交換するとした、2004年2月5日付けの取引契約には違反していないと主張している
この動きは、SCOがこれまで「Linuxとの戦いの軍資金」と説明してきた5000万ドルの投資に、深刻な影響を与えることになりそうだ。Royal Bank of Canada(RBC)もSCOに対し3000万ドルの投資を行っており、今後、この動きに追随する可能性がある。
RBCは現在のところ、態度を保留している。「われわれは、今のところ償還を要求していない。まだ状況を分析している段階だ。近日中にも方針を決定する」とRBCの広報担当Paul Wilsonは述べる。
新たに発生したこの問題は、SCOが訴えたオープンソースコミュニティや企業との戦いに新たな一石を投じることになったと、RedMonkのアナリストStephen O'Gradyは述べる。さらに「この1件がSCOの投資家にいい心象を与えるとは思わない」と付け加える。
BayStarよると、SCOは、BayStarが所有する一種類の優先株を別の優先株に交換するとした契約のうち、4つの条項に違反したという。具体的な条項は、2(b)(v)、2(b)(vii)、2(b)(viii) 、3(g)で、これらの条項が規定する内容は以下の通り。
一方、SCOは「指摘があった条項にいかなる違反もしていないと確信している。当社に、BayStarの株を償還する義務があるとは考えない」と述べている。
また同社は、BayStarはSCOが具体的に何に違反したのか詳細を示していないと主張する。
BayStarとRBCがそれぞれ2000万ドル、3000万ドルをSCOに投資するとした取引契約が昨年10月に成立しており、その資金はLinuxに対する訴訟に使われていた。
本件に関してBayStarの広報担当 Bob McGrathは、詳細のコメントを控えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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