情報処理推進機構(IPA、藤原 武平太理事長)は4月7日、2004年3月および04年第1四半期(1月−3月)のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。
3月のコンピュータウイルス届出件数は4012件となり、2月の1733件から2倍を超える増加となった。そのなかで、「W32/Netsky」ウイルスが1795件と、1000件を超える届出があった。1000件を超えたのは、02年8月の「W32/Klez」(1062件)以来となる。
とくに、「W32/Netsky」の亜種(Netsky.D、Netsky.P、Netsky.Q)が猛威を振るい、多数の届出が寄せられた。なかでも、新たに出現した「Netsky.Q」は発生とともに被害が拡大した。
続いて、「W32/Mydoom」が479件、「W32/Klez」が346件となった。「W32/Mydoom」は、メールの添付ファイルを介して感染を拡大するウイルスで、感染すると、
――などの活動を行う。
IPAでは、「寄せられた届出から、ウイルスを発見した日のデータをグラフにすると、件数が減少傾向にあるなかで、亜種の発生によって再び件数が増加する傾向がうかがえる」と分析している。
また、04年第1四半期のコンピュータウイルス届出件数は、合計7068件となった。03年第4四半期は、増加傾向にあった届出件数が減少に向かっていたが、04年1月の「W32/Mydoom」や3月の「W32/Netsky」など、それぞれ複数の亜種が出現したことによって、届出件数は03年第4四半期に比べ、約45%増加した。
3月の不正アクセス届出件数は57件と、2月の37件から約5割の増加となった。被害届出件数も8件で、2月の4件から増加した。内訳は、侵入が7件、メール不正中継が1件だった。
04年第1四半期の不正アクセス届出件数は、合計122件で、届出総数は増加したが、被害にあった件数は20件と、前期(24件)から減少している。122件のうち、不正なアクセス形跡を発見した「アクセス形跡(未遂)」の届出が100件(前期51件)と全体の約8割を占めた。
実被害があった届出のなかでは、「ID、パスワード管理不備」が6件(50%)と最も多い被害原因だった。IPAでは、「システム管理者はもちろん、エンドユーザーにおいてもパスワードの重要性を再認識してすることが必要。また、セキュリティホールの解消や適切なセキュリティ設定についても日頃から注意して欲しい」と呼びかけている。
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