電気通信機器メーカーLucent Technologiesは、中国で現地オペレーションを担当する経営幹部4人を解雇した。米国の法律では、事業の見返りを期待して外国の政府高官に報酬を支払うことを禁止しているが、4人はこれに違反した疑い。
解雇されたのは現地法人社長と最高執行責任者(COO)、マーケティング担当役員と経理部長。同社が米証券取引委員会(SEC)に米国時間6日に提出した書類によれば、「海外業務の内部統制に関する米海外汚職行為防止法違反」が明らかになったことを受けての判断だという。
Lucentは、違反の内容について詳細を明らかにしていない。連邦法は、米国企業の外国代理人が、事業の便宜を図ってもらうために外国の政府高官に報酬を支払うことを禁止している。また同法は、企業間の取引に関する記録を厳密に保管することも義務付けている。
提出書類のなかで同社は、今回の法律違反について米司法省とSECへの報告を済ませており、両機関の調査に協力していると述べている。
中国での「海外業務に関する内部統制の不備」は、サウジアラビアで贈賄行為が行われたという告発を受けてLucentが内部監査を実施した際に明らかになった。昨年夏、National Group for Communications & Computers(現在のSilki La Silki National Telecommunications)がニューヨーク南部の米国地方裁判所にLucentを相手取って訴訟を起こしている。その中で、Lucent関係者が1990年代後半にSaudi Telecomとのネットワーク事業を有利に運ぶ目的で、政府高官に賄賂を渡したとされている。この件については、米司法省とSECは現在調査中だ。
Lucentは、これまで23カ国の海外業務について精査したが、中国以外の国では、会社の方針が効果的かつ適切に守られていると述べた。また、同社は4人の幹部を解任するだけでなく、「このような不祥事の再発防止」に向けていくつかの対策を講じていることも発表した。
同社は、本件が業績に大きく影響することはないだろうと述べた。ただし、中国での今後のビジネスにどう影響するかは不明だと付け加えた。
Lucentは、この記事に対するコメントを差し控えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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