Microsoftが今夏にWindows XP Service Pack 2(SP2)をリリースすると、同社に寄せられる技術サポート電話が大量に増加するとセキュリティ専門家は予想している。
このWindows XPのアップデートでは、セキュリティのオプションが初期設定で有効な状態になる。つまりユーザーの多くは、ワイヤレスネットワークやゲームサーバ、さらには家庭内ネットワークに接続するために、ソフトウェアを自分で再設定しなければならなくなるのだ。
Windows XP SP2は、ファイアウォール設定を自動的に有効にしたり、OSのセキュリティ機能を強化するなどして、Windows XPのセキュリティ対策を完全に変更するよう設計されている。
リスクマネジメント専門会社TruSecureのチーフサイエンティストで、NTBugtraqニュースレターの編集者でもあるRuss Cooperは、SP2がMicrosoftのセキュリティ対策にとって「大きな前進」であり、Microsoftの態度が「大きく変化している」ことを示すものだと述べている。
しかし、セキュリティが強化されることによって、技術サポートへの電話が増えることになるだろうとCooperは警告を発している。「Internet Connection Firewallを初期設定で有効な状態にしておくと、このサービスパックをインストールするまでは利用できたサービスにアクセスできなくなるユーザーが出てくる。彼らはサービスパックインストール前の状態に戻そうとするので、技術サポートへの電話が増えることになる」(Cooper)
ウイルス対策ソフトメーカーSophosのシニア・テクノロジーコンサルタント、Graham Cluleyは、Microsoftのセキュリティ機能の使いやすさ向上への取り組みを評価したが、技術サポートが必要になるユーザーの数は大幅に増えると予想している。「マイクロソフトは以前なら、技術サポートが必要となるような機能をすべて使用不可にした。それが今度は、セキュリティ機能は全て常に使用する設定になるので、もし不要だと思う機能があれば、それを自分で使用しないよう設定することになる。つまり、本来そうあるべきやり方に変わるということだ」(Cluley)
一方、MicrosoftのWindowsクライアントプロダクトマネージャー、Paul Randleは、SP2では脅威にさらされるユーザーが減ることから、技術サポートへの電話も減少すると述べている。
「SP2で期待されるメリットの1つとして、顧客を攻撃からよりよく保護できるため、技術サポートへの電話が減少することが挙げられる。Windows XP SP2は新しいセキュリティツールを提供し、セキュリティ設定管理を改善するよう設計されているので、ユーザーはさらに簡単かつ低コストで、ネットワークやパソコンを保護できるようになる」(Randle)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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