CNET News.comが入手した情報によると、IBMは米国時間25日、Sun Microsystemsに公開書簡を送付し、Java技術をオープンソース化するよう促したという。
この公開書簡は、IBMの新技術担当バイスプレジデントRod Smithが送ったもの。このなかで同氏はSunに対し、オープンソース開発モデルを通じ、Javaの開発を先導するようなプロジェクトを共同で始めることを提案した。Sunがこの提案を受け入れると、Sunにとって最も価値のあるソフトウェア資産である、Javaの一部が無償で提供されることになる。また、ボランティアのプログラマから大手企業まで、あらゆるプロジェクト参加者がJavaソフトウェアへの変更を提供することになる。
IBMのSmithは、SunのRob Gingell(バイスプレジデント兼フェロー)に宛てて、次のように書いている。「SunがオープンソースJavaへ強くコミットすれば、一流でしかも互換性のあるオープンソースJavaの開発が加速し、我々の顧客や業界全体にメリットをもたらすことになる。我々は、オープンソースコミュニティがこの取り組みに向けて結集すると強く確信している」
この提案のもとで、IBMはオープンソースのJava実装への技術リソースとコードを提供し、一方Sunは、現在自社の管理下にある複数のJava仕様に関して、ドキュメンテーションとテストを提供することになる。IBMはJavaに大きな投資をしてきており、同社のJavaをベースにした製品は、大きな市場シェアを獲得している。
Smithは、Javaをオープンソースのソフトウェアにすることは、Javaソフトウェアの採用を加速し、「新しいアプリケーションや、Javaコミュニティの成長に対して、まったく新しいチャンスをもたらす」と述べている。
オープンソースの著名な提唱者のEric Raymondも、今月初めにSunに公開書簡を送り、Javaの管理にあたるSunに対し、Javaを支配し続けるか、それとも遍く普及することを求めるかの、どちらかを選択しなくてはならないと迫った。Raymondは、Javaをオープンソースにすることが、オープンソース開発者がJavaの開発に参加することにつながり、とりわけ他のオープンソースソフトウェアと一緒にJavaを利用してもらえる機会が増える、と述べている。
Javaの発明者であるJames Goslingは、最近行われたCNET News.comとのインタビューのなかで、SunではJavaをオープンソースにするかどうか、またどのように形で行うかについて検討していると語った。だが、こうした社内での議論が、オープンソースを手放しで受け入れるとの結論に行き着いたことはないという。Goslingはこれを「複雑な」問題だと述べている。
IBMは数年前からSunに対してJavaをオープンソースにするよう呼びかけてきている。IBMのWebSphereインフラストラクチャ担当ディレクターBob Sutorによると、オープンソースソフトウェアへの関心が高まっていることと、オープンソースに関してSunが前向きなコメントを示したことを考え合わせると、いまが対話を始めるタイミングだと判断したという。
「我々の希望は、公開の場でなんらかの議論が行われた結果、Javaのオープンソース化の可能性が真剣に受け止められるようになることだ」と述べたSutorは、IBMでは数多くの可能性を検討する用意があると付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス