ラスベガス発--Microsoftではセキュリティへの懸念から製品開発のスピードがスローダウンしているが、しかし同社は現在もWindows Longhornなどの野心的なプロジェクトに精力的に取り組んでいると、同社幹部が16日(米国時間)に明らかにした。
複数のプロジェクトがスケジュールより遅れている理由の1つとして、現行ソフトウェアの攻撃に対する強化の必要が挙げられる、と同社シニアバイスプレジデントのBob Mugliaはインタビューのなかで語った。
Mugliaはラスベガスで開催中のMicrosoft Management Seminarで、「このことが、物事のペースを遅らせているのは間違いない。セキュリティへの取り組みによって、ソフトウェアをすばやく出荷することができなくなっている」と語った。
一方17日に講演予定だった最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmerは、同イベントを欠席することになった。BallmerはEU独禁法違反訴訟の和解を図るため、ヨーロッパでの規制当局者との会合に出席するとの噂だ。
特にMicrosoftは先週、同社の開発ツールとSQL Serverデータベースのの大型アップデートを来年に延期すると発表しており、これらのプログラムと関連の深い、他のMicrosoftソフトウェア製品の開発も延期される可能性が出てきている。またWindowsの次期バージョン 「Longhorn」の開発にもさらに遅れがでるか、もしくは規模が縮小されるのではないかとの懸念が生じている。それでもMugliaは、同社がLonghornなどの大型プロジェクトに取り組む意欲を失ったわけではないと述べている。
「我々は現在も、非常に野心的だ」(Muglia)
Microsoftは当初の予定よりも、既存のバージョンの改善により多くの力を傾けているが、現在でもWindowsチームのリソースの半分以上はLonghornに割り当てられている、とMugliaは説明している。
「Longhornなどの新規プロジェクトに割り当てるリソースのうち、大きな部分をセキュリティへの取り組みに振り向けていることは間違いない。このため、製品の(出荷)スケジュールに影響が生じている」(Muglia)
しかしながら、顧客はこうした重点のシフトを好意的に捉えているとMugliaは述べている。「私のもとに返ってきているのは、(スケジュールを遅らせてでもセキュリティを強化することは)正しい選択だという反応ばかりだ。」(Muglia)
MicrosoftはWindows XP Service Pack 2でパッチやセキュリティ拡張機能を提供するほか、Longhorn発売前にWindows XPのデスクトップおよびサーババージョンでアップデートを提供する方法を検討中だと表明した。Longhornの発売は、まだ数年先になるかもしれないとアナリストらは述べている。Microsoftは当初、Longhornを2005年発売予定としていたが、現在は発売時期に関して具体的なスケジュールを明らかにしていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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