Juniper Networksは、Cisco Systemsの2600シリーズのルータに対抗するべく設計された、ローエンドの広域ネットワーク用ルータの開発に取り組んでいる。
CIBC World Marketsの証券アナリスト、Stephen Kammanは先週、Juniperの新しいルータ(開発コード名「Pepsi」)に関する調査レポートを発表した。Ciscoは、シェア90%以上を獲得して同市場を支配しており、これに挑もうとするJuniperは、かつての「Coke」に対する「Pepsi」のような存在と考えられる。
Kammanのレポートによると、この新しいルータの詳細は明らかでないが、しかし同氏は通信事業者のネットワークと企業のネットワークをつなぐこの製品に、JuniperがNetScreen Technologiesのセキュリティ機能を追加しているに違いないという。これらのセキュリティ機能には、ファイアウォールや仮想プライベートネットワークも含まれることになりそうだ。Juniperは先月、セキュリティ製品ベンダーとして定評のあるNetScreenを、34億ドルで買収すると発表している。
Kammanは、この新しいルータがいつリリースされるかについては明言していない。またJuniperは同製品に関するコメントを控えている。
Ciscoはルータ2600シリーズで、広域ネットワーク(WAN)ルータの市場を支配している。市場調査会社Dell 'Oroは、同市場の規模を年間およそ12億6000万ドルと予測している。
WANアクセスルータは、顧客企業のネットワークに組み込まれ、インターネットなどの広域サービスへの接続を提供する。これらの製品の大半は通信事業者を介して販売されており、各事業者はこれをデータネットワークやインターネットサービスの一部として顧客に提供している。Ciscoは先頃、VoIP(Voice over Internet Protocol)のサポートを強化するための機能を2600製品に追加したと発表した。
Kammanによれば、同市場でのCiscoの強みは、再販にあたる通信事業者との結びつきが強いことに起因しているという。同社はまた、IP製品の主要プロバイダとしても知られている。同社のハイエンドルータは、ほぼすべての通信事業者のネットワーク内で、インターネット経由のトラフィックをやりとりするのに利用されている。
Ciscoと同じように、Juniperもまたハイエンドルータを通信事業者に販売している。実際、Juniperはこの6年間に渡って、Ciscoの代替品を販売するベンダーとして自社を売り込み、この事業を築き上げてきた。現在同社には、NetScreenの製品シリーズと販売力が加わり、企業への販売を行うための通信業者の販売網とのつながりもできている。
Ciscoの2600製品は技術的には進んだものでもないとKammanはいう。同氏の考えでは、Juniperには簡単に2600の対抗馬となる製品を作れるだけの技術的専門知識があると述べている。しかし現在まで、同社には製品販売用のチャネルと焦点をあわせるべき市場が欠けていたという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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