長く続いた液晶ディスプレイ(LCD)パネルの供給不足が改善し始めており、今年後半にはフラットパネルモニタの価格が再び下がり始めるとの期待感が現れている。
モニタやノートブックコンピュータの画面、そして現在大流行中の薄型テレビへの需要の影響から、米国では2003年にLCDパネルの価格が高騰した。
調査会社DisplaySearch社長のRoss Youngは米国時間5日、「昨年3四半期連続していたLCDパネルの供給不足が徐々に解消しつつあるようだ」と語った。
LCDパネルを搭載したディスプレイは、従来のCRT搭載機器より薄型軽量にできる。iSuppliが先日実施した調査の結果では、世界市場におけるLCDパネルの売上高が、2004年には昨年比32%増の470億ドルに達する見込みだ。同社によると、2003年のLCD市場は全世界合計で27.9%増の357億ドルだったという。
Youngによると、10インチ以上のLCDパネルの大半はコンピュータのモニタに利用されているという。しかし昨年は、サプライヤーが利幅の大きいノートPCやテレビ向けの供給に重点を置いていたという。このためモニタは、「供給不足のときに貧乏クジを引いた形になってしまった」と同氏は付け加えた。
Youngによると、年末商戦を終えたテレビの需要低下などのおかげで、テレビ向け大型LCDパネルの価格は下げ基調にあるという。しかし、モニタ用15インチパネルの平均価格は、3月には1カ月で218ドルから224ドルまで上昇する見込みだとも同氏は述べている。
当然ながら、これは米国におけるモニタ完成品の価格上昇継続につながっている。iSuppli/Stanford Resourcesのアナリスト、Samantha Nebrichによると、平均では「価格はまだ再度の下げには転じていない」という。同氏は、LCDモニタの購入コストが2003年第3四半期まで着実に下がった後に上昇に転じたと述べ、米国では第3四半期に302ドルだった15インチLCDモニタの平均価格が第4四半期には327ドルに上昇したと説明している。
モニタの価格動向の反転は今年後半に起こると同氏は述べた。この予測はDisplaySearchによるLCDパネルの供給増予測と一致している。
Youngは、市場におけるLCDパネルの余剰について、第1四半期に2%、第2四半期に4%、そして第3四半期には5%になるとしている。
供給過剰の大きな原因は、Samsungなどのメーカーによる生産能力の大幅に拡大だ。Youngによると、メーカー各社は今年新たに100億ドルの設備投資を行う予定だが、これは単年の投資額としては過去最高額をさらに50%上回るものだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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