電子メールのおかげで、世の中には数多くの「連絡先リスト」が出回るようになった。しかしこのことが、ある意味で本当の友人と連絡をとるのを難しくしている。
これは、Microsoftの研究部門が「ソーシャルコンピューティング」分野の取り組みの一環として解決しようとしている問題の1つだ。人々がコンピュータを利用する主な理由の1つは他人とのコミュニケーションだが、研究者らは連絡先の管理に関する現在のやり方がやや非人間的過ぎるのではないかと懸念している。
「連絡先リストは、人間の思考様式にそぐわない」とMicrosoft Researchのソーシャルコンピューティンググループ責任者、Lili Chengは言う。より人間の発想に近いのは、多くの人々がコンピュータの脇に置いている、手書きの電話番号リストだ。この方が「話したい相手の連絡先がすぐ探せる」とChengは述べている。
このアイディアをデジタルに置き換えるため、ChengのチームはInner Circleというコンセプトを考えた。これは、人が頻繁にメールやインスタントメッセージでやり取りする相手約20人のリストを、自動で管理・更新するというものだ。
Inner Circleは、今週MicrosoftのTechFestイベントで披露されたプロジェクトの1つだ。TechFestはMicrosoftが同社の社員数千名を集め、マサチューセッツ州ケンブリッジとシリコンバレー、サンフランシスコ、ワシントン州レッドモンド、中国の北京にあるMicrosoft Researchの5つ研究所の研究者のプレゼンテーションを聞くイベントとして2日間にわたり開催しているもの。
連絡先をうまく管理する方法の開発は、Microsoftの研究部門と製品チームの双方で主要プロジェクトとなっている。Microsoft幹部はLonghorn(Windows次期バージョン)を初公開した際、Longhornで改善されたWinFSファイルシステムの主なメリットとして、連絡先管理の重要性を強調していた。
デジタル情報を整理する際の中心は、人間であると同社は認識している。たとえば我々は、ファイルをどこにセーブしたかや、それをいつ入手したかは忘れるかもしれないが、誰からもらったかは覚えていることが多い。
また人間は、コンピュータで行なう仕事にとっても重要な存在だ。MicrosoftはLonghornとMac用次期Officeバージョンで、「プロジェクト」という概念を利用している。これはユーザーと文書を結びつけたアドホックなグループで、時間とともに変化するものだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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