2月27日、ソフトバンクBB代表取締役社長兼CEOの孫正義氏らが記者会見を行い、同社がヤフーと展開するADSLサービスYahoo! BBの顧客データ流出について謝罪した。
同社が照合した結果、湯浅容疑者らと木全容疑者が保有していたデータのうち顧客情報と一致するものは合計で451万7039件。この数値には、データ流出時点でのYahoo! BB加入者と加入申込者、無料体験キャンペーン申込者、解約者が含まれる。流出した個人情報は、サービス申し込み住所と氏名、電話番号、申し込み手続きに利用された電子メールアドレス、Yahoo!メールアドレス、Yahoo! Japan ID、申し込み日。データが流出した日時などについては、捜査上の理由から言及できないとしている。
個人情報流出をわびるソフトバンクBB 代表取締役社長兼CEOの孫正義氏(写真中央) | |
---|---|
木全容疑者は2003年6月までソフトバンクBBのサポート部門で勤務していた。同容疑者が勤務していた時点ではサポート部門のスタッフが大量の顧客情報を検索・表示することが可能だったため、同容疑者が大量にデータを引き出せる可能性はあったという。
ソフトバンクBBの顧客情報データベースのアクセスログは1週間で上書きされるよう設定されていたという。1月中旬以降は半永久的にログが保存されるよう設定を変更している。
大規模な個人情報流出が確認されたことでソフトバンクBBの管理体制が問われるが、これについて孫氏は「苦しい中で立ち上げた仲間だったという性善説に基づいた部分があった」とし、こうした反省をふまえて顧客情報管理の厳格化を進めているとした。
自身の進退を問う質問に対して、孫氏は「最大の使命はデジタル情報革命を進め、ブロードバンドを推し進めることだと考えている」としたうえで、ソフトバンクBBの管理体制を強化し、信頼を高めていくことが最大の責務として、続投する考えを明らかにした。新規顧客獲得のための営業活動についても見直しはない。今回の個人情報流出の責任については、孫社長を減給50% 6カ月、宮内謙副社長と筒井多圭志取締役を減給30% 3カ月などとする処分を3月分給与から実施する。
顧客への対応として、ソフトバンクBBは情報流出の確認された顧客に対してメール(BBフォンのみの契約の場合には郵送)でその旨を連絡する。また、情報流出の有無にかかわらず、全顧客に対して500円相当の金券等を送付する。また、Yahoo!メールアドレスを2004年5月31日まで何度でも無料で変更できる措置をとる。補償額は合計40億円相当。Yahoo! BBユーザーが個人情報流出の有無を確認するには、ソフトバンクBBからの連絡を受けるほかに同社のウェブサイトか問い合わせ電話窓口で照会する方法がある。
ソフトバンクBB 個人情報流出確認用のURL
(3月9日9:00から利用可能)
http://bb.softbankbb.co.jp/listchk/
問い合わせ用電話番号(2月27日現在利用可能)
0120-956-827(9:00−23:00)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」