ライブドア(旧エッジ)は20日、ネット広告会社のバリュークリックジャパンをTOB(株式公開買い付け)で買収すると発表した。これは、バリュークリックのネット広告枠を活用し、自社製品やサービスの消費者向けネット販売を拡大するのが目的。このTOB発表によって、バリュークリックの株価はTOB価格にサヤ寄せするかたちで上昇をみたが、一方のライブドアの株価は、26日こそ反発に転じているものの、それまで下落の一途をたどっていた。
TOBの実施は、2月23日〜3月22日までの29日間を買い付け期間として、1株当たり13万5642円で1万8743株を買い付ける。TOB完了後にライブドアは、バリュークリック株式の58.65%を保有して子会社化することになる。さらに、ライブドアは応募株数を超えた場合は応募株をすべて購入する予定であるため、場合によっては全額出資子会社となる可能性もある。このTOB価格にサヤ寄せするかたちで、バリュークリックの株価は9万円台から13万円台に跳ね上がっている。
しかし、一方でライブドアの株価は、連日ストップ安を続けてきた。これは、1株を100株にするという大幅な株式分割実施に伴う新株交付で需給悪化を警戒した売りが続いたためだ。さらに、ライブドアが大株主となっているイーバンク銀行との対立激化への警戒感も尾を引いているようだ。
同社は昨年11月、12月末日現在の株主を対象に1株を100株にするという超大幅な株式分割を実施すると発表した。これが好感されて、権利落ち後に15日連続ストップ高などで株価は暴騰し、株式分割後の理論価格2220円から1月21日には1万8220円と8.2倍に暴騰した。しかし株価はこれをピークに、今度は新株の交付による需給悪化懸念が台頭して下落の一途をたどり、25日には2620円まで急落したものの、完全合致(比例配分ではない)で寄り付き出来高は432万7667株と大きく膨らんだ。
2月20日の株式分割の効力発生以降、新株流通に伴う需給関係の悪化を受けて連日のストップ安比例配分が続き、25日の寄り付きでは2620円まで下落した。この株価が23日に付けた新株の最終取引価格2400円に接近する展開となったことから、心理的な好転をもたらしたようだ。分割前の昨年12月24日には2220円で取引を終えており、分割前にこの銘柄を取得した株主から見れば、まだ20%近い利益が乗っていることになる。
ライブドアは2月5日、2004年9月期の連結経常利益が前期比2.3倍の30億円になりそうだと上方修正の見通しを発表した。従来予想は24億4300万円だった。利益率の高い法人向けウェブコンサルティングの受注が堅調に推移していることに加え、ネットを活用した外国為替保証金取引サービスの手数料収入が増加したことも寄与している。
日本グローバル証券にもTOB
さらにライブドアは26日午後2時30分過ぎに、日興系の日本グローバル証券(非上場)に対し、子会社とすることを目的にTOBすると発表した。買い付け価格は1株当たり61円で、買い付け予定株数は5800万株(応募株数が買い付け予定株数を超えた場合には応募株は全部買い付ける)。予定通り買い付けた場合に必要となる資金は35億円となる。これが好感され、ライブドアは26日の大引けで、232万株の買い物を残し、前日比ストップ(400円)高の3020円で比例配分となった。出来高は458万株。
なお、日興コーディアル証券は、ライブドアが行う公開買い付けに応募することで、子会社株を譲渡する方針を発表している。日興コーディアル証券は同社およびグループ会社が所有する6538万3000株をライブドアに譲渡する予定だ。
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