Motorolaは米国時間23日、より高速なPowerPCプロセッサを発表した。このチップは、Apple Computerの高性能ラップトップPCに採用されることになるかもしれない。
Motorolaによると、同社は現在PowerPC/1.42GHzプロセッサのサンプル製造を進めているという。半導体アナリストらは、AppleがこのチップをハイエンドラップトップPC「PowerBook」に近々採用するかもしれない、と述べている。Motorolaの話では、同チップの標準的な消費電力は20ワット以下で、ラップトップPCに適したものになるという。同チップには、AppleがG4プロセッサと謳うチップに必須の、マルチメディア処理命令も搭載されている。
Mercury Researchのアナリスト、Dean McCarronは、「同チップが携帯型のMacに適していることは確実だ。IBM(のチップ)と比較して、同チップを採用するかどうかは完全にApple次第だ」と語った。
Appleが同チップに関心を寄せているかどうかについて、Motorolaの関係者はコメントを控えている。同社はプレスリリースの中で、コンピュータはもちろん、コンピュータ以外の組込タスクを含め、同チップが幅広い用途に向けで設計されたものだと述べている。
Motorolaは初代Mac用のチップを1984年に製造し、またPowerPCが登場する1990年代半ばまでMac全機種の心臓部だった「68000」チップを供給していた。一方、当初はIBMとMotorolaの共同開発として始まったPowerPCチップだが、現在は両社がそれぞれ独自に製造を行っている。G5チップを供給しているのはIBMだけだが、ほかのPowerPCプロセッサに関してはAppleがその時々のタイミングで両社の製品を採用してきた。
1.42GHzのPowerPCチップは、PowerBook製品を高速化するだろうが、しかしAppleが昨秋になってiBookにG4プロセッサを採用したことを考えれば、コンシューマー指向が強いiBookシリーズに先々このプロセッサが搭載される可能性もある。
PowerBook製品が最後にアップデートされたのは昨年9月で、Appleはこのとき、最高1.25GHzで動作する15インチのアルミニウムモデルと、1.33GHzで動作する17インチモデルを追加している。
Macのファンは、AppleがMotorolaの新チップを採用するかどうかについて、確実に好奇心をそそられるだろうが、McCarronの指摘によると、コンピュータ以外が大半を占めるMotorolaのビジネスにとって、Mac市場は取るに足りないものだという。
「Motorolaはこれまで、自動車やレーザープリンタなど、各種コントローラの組込分野でかなりの数のチップを販売してきている」(McCarron)
多くのMacユーザーにとって、大きな問題は、AppleがG5チップを搭載した初のラップトップPCをいつ登場させるかだ。G5プロセッサが発表された際、Appleは消費電力の関係から、このチップを採用したラップトップPC発売までには、しばらく時間がかかるだろうと述べていた。
しかし、現在IBMではすでにG5チップを90ナノメートル製造プロセスで生産し始めていることから、G5搭載PowerBookの登場もそう遠い未来の話ではない、とアナリストは述べている。
「遅くとも7月か8月までには登場してくるだろう」と語るのは、Microprocessor Reportの編集長であるPeter Glaskowsky。「もしすべてがスケジュールより少しはやく進めば、(7月12日からボストンで開催予定の)MacworldでG5 PowerBookがみられるかも知れない」(Glaskowsky)
なお、Appleはすでに低消費電力のG5チップを、ラックマウントのXserve G5サーバに採用している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」