Microsoftは、Windows 2000のソースコードの一部が、複数のアンダーグラウンド・サイトやチャットルームで公開されたファイルのなかに含まれている可能性に関して、調査を進めている。
このファイルのリストを調べたセキュリティコンサルタントで、CanSecWestセキュリティカンファレンス主催者のDragos Ruiuの話では、203Mバイトになるこのファイルに、Microsoftのエンタープライズ向けオペレーティングシステムのものだと思われるコードが含まれているが、ただしそのコードは完全なものではないという。
「これは今もピアツーピア(PtoP)ネットワークやIRC(インターネットリレーチャット)上にある。みんながそれを入手しており、今では至る所にある」(Ruiu)
同氏は、203Mバイトのこの圧縮ファイルが解凍されると660Mバイト弱になることから、最終的なコードのサイズは典型的なCD-ROMの容量とほぼ完全に一致すると指摘。一方ソースコードは全体で40Gバイト程度になるといわれており、米国時間12日に出回っているファイルがもし本物であれば、全体のごく一部ということになると、同氏は述べている。
このファイルを見たRuiuは、これが本物だと考えている。
「本物に見える。だが、これを使ってWindowsを作り上げることはできない。オペレーティングシステムの部品がバラバラに集まっているだけだ」(Ruiu)
Microsoftは、ファイル交換ネットワークの利用者が、同社のプロプライエタリなソースコードを交換しているとの連絡を受けて、調査を進めていると語った。
Microsoftは、CNET News.comに寄せた声明の中で、「Windowsのソースコードが出回っているとの噂は、身元の特定できないコードの一部を見て、それがWindowsのコードに似ていると考えたある個人の憶測に基づくものだ。Microsoftでは念のために、この件を調査しているところだ」と述べている。
12日朝に、ある情報筋がこのコードだとされるファイルをウェブサイトで見つけたが、そのファイルは完全にダウンロードする前に、ネット上から削除されてしまった。
このソースコードが漏出した可能性について、一部のセキュリティ専門家は懸念を表明している。
ウイルス対策企業Symantecのセキュリティ対策センターでシニアマネジャーを務めるOliver Friedrichsは、「ソースコードが悪意のある人間の手に渡るのは明らかに良くないことだ」とし、ソースコードが漏出しているとすれば、「正規の活動をしているセキュリティ研究者が脆弱性を見つけ出す前に、地下で活動する人間がコードを目にするようになってしまう」と語った。だが、Microsoftではセキュリティの問題をあまり重視していない。
同社は声明の中で、このような漏出に関する最大の懸念は、セキュリティの脅威ではなく、自社の創造物が盗まれる可能性だ、としている。
「Windowsのソースコードの一部が漏出したとすれば、それはセキュリティの面よりも、むしろ知的財産権の面で問題となるだろう」(Microsoft)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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