PalmSourceは米国時間10日、OSの取り組みを2つに分割し、エントリーレベル版とハイエンド版両方の開発を進めると正式に発表した。
現行のPalm OS 5と関連した取り組みは「Garnet」となる。その一方で、昨年末、端末メーカー向けに出荷されたPalm OS 6は「Cobalt」と呼ばれる。既報の通り、これは同OSをさまざまな携帯電話機やワイヤレス端末に対応させることを狙った動きだ。
「スマートフォンは、概してメインストリームの一部になりつつある」。サンノゼで開かれたPalmSource Developers Conferenceで、同社CEOのDavid Nagelは集まった大勢の開発者に向かってこう語った。
調査会社の米IDCによると、携帯電話はすでにPDAなどの携帯端末からユーザーを奪いつつあり、PDA端末を提供する主要メーカー各社は自社製品に電話機能を付け加えはじめているという。2003年、携帯端末の出荷台数は初めて落ち込み、前年比8.4%減となった。ただし、今年は売上が回復すると見込まれている。
電話機能をPDAに付け加えた、いわゆる「統合型」携帯電話の出荷台数は、2007年まで成長率86%で成長し、1300万台に達すると見られている。
PalmSourceは、新たに台頭しつつある電話市場に向け、新OSを準備している。Cobaltでは、ワイヤレスネットワークを容易に切り替えられる機能が加わるほか、セキュリティ機能が向上し、複数のプログラムを同時に開く機能も強化されている。
「Cobaltは、私がPalmSourceに参画して以来、これまで開発してきた中で最も重要なソフトウェアだ」(Nagel)
Nagelは、欧州キャリアのOrangeの例を上げた。Orangeでは、Palm OS 5を搭載したPalmOneのTreo 600が、これまで同社が提供した携帯電話の中で、1カ月あたりの収益が最も高いという。
「これが、スマートフォンの採用が加速している理由だ」(Nagel)
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