Microsoftは26日(米国時間)、中小企業がRFIDを利用し、サプライチェーン管理を改善できるようにする新ソフトウェアを発表した。
同社はMicrosoft Axapta Warehouse ManagementソフトウェアにRFID(無線認識)技術を追加した。RFIDは、シリコンチップと無線技術を組み合わせた技術で、在庫管理などに用いられる。
Microsoftは2003年12月より、この新RFIDソフトウェアのテストをデンマークのスナック菓子メーカー、KiMsと行なってきた。すでにAxaptaを採用していたKiMsは、製品が完成してからサードパーティーの倉庫に搬入されるまで、製品のカートンや運搬用パレットを監視するのに今回発表の新ソフトウェアを利用している。この新しいソフトウェアによって、サプライチェーン内のさまざまなポイントにおける商品の正確な位置が、はるかに把握しやすくなったとKiMsは述べている。
RFIDは、在庫情報などサプライチェーン内のデータをより詳しく得られる方法として、メーカーや小売会社から賞賛されている。RFIDを利用すれば、製品の品切れが減り、また企業は余分な在庫のカットによってコスト削減を図れる。
Microsoftのソフトウェアによって、小規模企業もこの革新的なワイヤレス技術を利用できるようになる。
Axaptaではまず、RFID「タグ」と呼ばれる、無線電波を発信する特殊なマイクロチップを、商品のカートンや箱すべてに取り付ける。このマイクロチップは、現在位置や出荷元など自らの情報をワイヤレスに発信する。各タグにはEPC(電子製品コード)と呼ばれる個別の番号が割り振られている。このタグが倉庫内や出荷時などに読み取られて、データがMicrosoft Axaptaにフィードバックされる仕組みになっている。
Microsoftは最近、RFIDサポートに向けた動きをいくつか見せている。同社は今月、小売会社が顧客とやり取りしたり、運営管理の改善やRFID技術の統合を図れるようにするツールを、同社の.Net Webサービスフレームワークを利用して構築すると発表した。
Microsoft以外の企業もRFIDブームに乗じ、それぞれ製品を発表している。IBMとオランダの大手電機メーカーPhilipsも26日、RFIDソリューションを共同開発していることを発表した。アイテムに取り付ける無線チップをPhilipsの半導体ユニットが製造し、IBMがコンピュータサービスやシステムを提供するという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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