Sun Microsystemsはシンクライアントモデルを最大限まで活用するとの判断を下し、英国支社全体にWAN(wide area network)経由で動作するシンクライアントを導入することにした。
Sunの英国支社のマネジングディレクター、Leslie Stretchは22日(英国時間)、ZDNet UKとのインタビューのなかで、ロンドン橋近くにある同社のシティオフィスで使用中の数百台のマシンについて、現在のローカルサーバから動作するシンクライアントを、WAN上で動作するシンクライアントに年内に置き換える計画であることを明らかにした。
「2004年末までにこのオフィスからコンピュータが一掃される。現在このオフィス内の200〜300の席には、デスクトップは置かれておらず、代わりにローカルサーバがあるだけだ。しかし、2004年末までにオフィスからサーバハードウェアが完全に姿を消し、スイッチ類だけが残る。ここでは今、Wan Rayと呼ぶ計画のための試験的な製品を使っている」(Stretch)。
Wan RayはSunのSun Ray構想の延長線上にあるもので、ユーザーがJavaスマートカードによって起動したシンクライアントを使用することにより、セッションの途中でコンピュータからコンピュータへ、再起動することなく移動できるというもの。Wan RayもSun Rayと似ているが、WANを経由する点で異なり、またローカルサーバを置く必要もない。
「私はローカルサーバではなくスイッチルームのみを経由して自分のデスクトップを呼び出すことができる。それはスコットランドにあるかもしれないし、Fleet(Sunの英国本社)にあるかもしれない。これはコンピュータを買うなという一種の直感に反したメッセージだが、我々にとっては大幅なコスト削減になる」とStretchは語った。
シンクライアントは一般にモニターとキーボードのみで構成され、外観はコンピュータと似ているが、典型的なWindows搭載デスクトップPCと違い、ローカルのハードディスク上にはソフトウェアが一切保存されていない。それどころか、そもそもそのようなディスクすら存在しない場合もあり、アプリケーションは全て、別の場所にある1台のサーバに保存されている。
最近の業績低迷にも関わらず、Sunは今月、第2四半期の赤字額が当初の予想を下回る、およそ1億2500万ドルだったと発表した。この数字は前年同期に比べ大幅な改善となった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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