ロータスの開発者を口説くマイクロソフト

David Becker(CNET News.com)2004年01月26日 12時39分
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 IBMが今週開催のLotusphereカンファレンスに向けて社員を結集させるなか、Microsoftをはじめとするソフトウェアメーカー各社は、Javaにフォーカスを移しつつあるIBMに疎外されたLotusの開発者を取り込むための、営業トークの練習に余念がない。

 Microsoftによると、同社の開発ツールや一部のサーバ製品を利用すれば、Lotusの開発者はこれまで慣れ親しんだ手法で開発を継続できるという。また、Lotusの開発ツールを専門にする小規模ソフトウェアメーカーのTrilog Groupでは、開発者が慣れ親しんだLotusScriptツールに似た環境で、Javaベースのアプリケーションを書けるようにするツールセットを販売している。

 IBMは2年前、同社の電子メールやコラボレーションといったオフィス作業向けのアプリケーションファミリーであるLotusのフレームワークとして、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)を採用する計画を発表した。この方針転換は、IBMがWorkplace戦略やサーバベースのツールに重点を置くようになっているなかで、Lotus製品とWebSphereアプリケーションサーバなどの各種業務アプリケーションとのやりとりを簡単にすることを意図したものだった。

 だが、この転換によって、長年LotusScriptに慣れ親しんできたLotusやDominoの開発者の多くは、Javaを習得するか否か、そしてするとすればどのように習得するのかという難しい選択を迫られた。

 LotusのWorkplace製品担当バイスプレジデント、Ken Biscontiによると、現在50万人いるとされる活動中のLotus開発者の大部分は、Javaに移行する手段を見つけつつあるという。LotusScriptを使う開発者は、Javascriptや各種の派生技術に、LotusScriptと同様のスクリプト指向の機能を見い出すことができ、またローレベルのプログラミングを行っていたDominoの開発者はJavaのコードをダイレクトに扱うことが可能だ。

 Biscontiは、Lotusの開発者が新しいモデルに簡単に移行するための方法の一例として、Portlet Builder for Dominoを引き合いに出した。このツールセットは、Workplaceが採用するポータルソフトウェアデザインにDominoアプリケーションを適合させるためのものだ。

 「選択肢はある。エンドユーザーとしては、Javaの複雑なコーディングをしなくて済むようPortlet Builderなどのツールが使える。一方、DominoのJava APIを使えばかなりローレベルのコーディングを行うこともできる」(Bisconti)

 しかし、Microsoftは、Lotus開発者がそれほど新しいスキルを必要としない自社のツールに乗り換えるほうを好むと期待している。

 「LotusScriptは、VB(同社のVisualBasic)にたいへんよく似ている。VBのコードをコピーして、そのままLotusScriptのルーチンにペーストしても動いてしまうくらいよく似ている」と、MicrosoftのExchange開発チームの主任製品マネジャー、Jim Bernardoはいう。「我が社の開発環境なら、LotusScriptを使う開発者はすぐにコードが書ける。ところがJ2EEではかなり勝手が違う」(Bernardo)

 Bernardoによると、MicrosoftはひそかにLotusの開発者と協力して、Lotus用に開発したものを拡張・更新するにあたって、VisualBasicやVisualStudio.Netを使うアドバンテージを説いて回っているという。また、これらの開発者が開発環境の移行を検討しているいっぽうで、Microsoftは彼らに対して、Lotusから、Microsoftの電子メールサーバおよびコラボレーション用ソフトであるExchangeへ、プログラム開発を全面的に移行するとの考えを売り込めると考えている。

 「IBMの顧客、なかでもLotus Notesを利用する顧客の多くは、これを自社のシステムの再評価の機会と捉えている。彼らは、新しい世界が迫りつつあると感じている。問題はもはや別のなにかに移行すべきかどうかではなく、その別の何かとは一体どの製品を指すのかということになっている。そして、Microsoftでは、このことを大きな機会と捉えている」(Bernardo)

 一方IBMのBiscontiは、Lotusの開発者や顧客の大部分が、Workplace/WebSphereを組み合わせた、これまでより大規模なWebベースのアプリケーションに移行することのメリットを理解していると述べている。

 「我々は、Lotusの開発者をJava/J2EEの世界に移行することで、彼らの開発のスコープと、彼らが解決できるビジネス上の問題のスコープを拡大することができたと考えている。頑固なLotus開発者に利用できる機会が拡大することを理解してもらうには、多少時間がかかった・・・しかし我々のパートナーの大部分はいまではJavaで不自由もなく仕事をしている」(Bisconti)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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