IBMは14日、同社のWebSphereポータルソフトウェア用の新ツール、Collaboration Centerをリリースした。企業内や提携企業間でのWebSphere利用促進を狙う。
Collaboration Centerは、利用者が同僚とインスタントメッセージソフトなどのツールを使って通信したり、文書を共有したりしやすくするためのアプリケーションを集めたもの。その他、ポートレット(企業ポータル内部で稼動するアプリケーション)構築のための開発ツールなども含まれている。企業ポータルは、企業ユーザーが、複数のアプリケーションによる情報を、ウェブブラウザで統合的に見られるようにするサービスを指す。
Collaboration Centerは、先にIBMが開催したLotusphere会議でデモンストレーションしたもので、LotusアプリケーションをJavaで開発し直すという、同社Lotus部門のNextGen計画の一環となっている。NextGen計画によって、LotusがIBMの主要ソフトウェアプログラム、WebSphere Portalのアドオンとして利用可能となる。
LotusのアプリケーションをWebSphereのアドオンにしたことで、WebSphere Portalのライセンスを持つ企業が、社内でこのサービスを活用してくれるよう望んでいる、とIBMは話している。
NextGen戦略では、サードパーティ企業に、WebSphere上で稼動するアプリケーションを開発するよう誘い込むことも狙いとなっている。IBMは、Lotusコンポーネントを人気のJava 2 Enterprise Edition(J2EE)標準で開発し直すことで、Java言語になじみのあるサードパーティ開発会社の関心を引こうとしている。IBMによると、同社は過去半年でソフトウェア開発会社約60社と提携契約を結び、WebSphere Portal用ポートレットを構築している企業は現在170社に上るという。
IBMのWebSphere Portalは、IBMの主力製品の1つ。アナリストによると、2002年の売上は前年を100%以上上回ったという。市場調査会社Gartner Dataquestが行った最近の調査では、IBMはポータル事業で、SAPやBEA Systemsを抜いてトップに立っている。
Collaboration Centerの目標は、同僚同士がポータルアプリケーションを通じて、仕事中に通信できるようにすることだ、とIBMのePortalソリューションプログラム責任者Tim Thatcherは言う。Collaboration Centerでは、インスタントメッセージ(IM)機能がポータルに統合されているので、別のIMアプリケーションに切り替えなくても、電子的に連絡を取り合える、とThatcher。
Collaboration Centerは現在単独でダウンロード可能。また、今夏発売予定の次期WebSphere Portal主要バージョンには無料で同梱されるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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