ニューヨーク発--Amazon.comがLinux支持を表明するのは初めてではないが、今回同社は、これまでで最も詳細な発表を行った。
当地で開催されたLinuxWorld Conference and Expoで、Amazonのインフラストラクチャー担当バイスプレジデントのTom Killaleaは21日(米国時間)、自社のビジネスのほぼすべての分野で、Linuxがどう活用されているかを詳しく説明した。
AmazonがLinuxを使い始めたのは2000年のことで、当初は基本的なタスクの処理用に導入したが、その後同社のデータベースをはじめとする、重要度の高い分野でも導入の動きが広まったと、Killaleaは語った。
翌2001年、Amazonは米証券取引委員会(SEC)へ提出した書類のなかで、Linuxへの移行により1700万ドルのコストを削減したと記したが、これがきっかけとなって同社のLinux移行が注目を浴びた。
2003年のクリスマスシーズンまでに、Amazonのコンピュータは高い負荷を支えるようになり、処理需要のピーク時には、1日あたり100万件の出荷情報や、1日に2000万回の在庫情報更新を処理した。同社は全世界に9カ所の配送センターを持ち、合わせて420万平方フィート(約39万平方メートル)のスペースを使って在庫を管理しているが、「これらの配送センターのシステムは、すべてLinuxを稼働している」と、Killaleaは語った。
AmazonのLinuxへの切り替えは、2000年第3四半期に、ウェブサーバを動かすローエンドのマシンから始まった。2001年の第2四半期には、受注処理、顧客関係管理、そして経理用の自社アプリケーションをLinuxマシンへ移行した。
2003年に始まり現在も継続中の移行フェーズでは、データベース用サーバをLinuxに移行し、その上でOracleのデータベースソフトウェアで動かそうとしている。「我々は、非常に要求の厳しいOracleのヘビーユーザーだ」(Killalea)
Killaleaによると、最終の移行フェーズではデータウェアハウスをLinuxマシンに移行する予定だという。
Amazonは、メッセージベースのシステムを使用しており、たとえば顧客からの注文の記録のみを行うサーバが、、請求や出荷を管理する別のサーバにメッセージを送るようになっている。これは、いくつものシステムを組み合わせたもので、そのなかからいちばん早く対応できるシステムがタスクを処理するよう設計されているので、需要の増加に合わせて簡単に処理能力を拡大できる、とKillaleaは説明した。
またAmazonでは、Toys "R" Us、Target、Borders Group、Nordstrom、The Gap、CDNow、National Basketball Associationなどに販売するeコマース用エンジンのベースにもLinuxシステムを使っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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