ニューヨーク発--IBMは、サーバ市場で他社との差別化を図るため、自社製のPowerプロセッサ上で稼働するLinuxを顧客にアピールする取り組みを強化する。
Linux on Powerと名付けられたこの取り組みは、昨年度はまだ採算性を問われない社内開発プロジェクトだったものだが、いまでは収益に関する責任を担うグループに昇格している。この目的のために、IBMはソフトウェア開発のパートナーを集めたり、独自にアプリケーションを開発したり、顧客を集めたりといった活動に、いっそう力を入れている。
IBMでLinux担当のゼネラルマネジャーを務めるJim Stallingsは、ニューヨークで開催中のLinuxWorld Conference and Expoでの記者会見で、「我々は、Linuxのもつバリュープロポジションを、Powerプロセッサにも応用しようとしている」と述べた。
IBMが21日(米国時間)に発表したLinux on Powerの顧客には、Kendall-Jackson Wine Estates、Intermountain Health Care、LexCom、National Semiconductor、Black Hills、Hitachi Global Storage Technologies、ニューヨーク州立大学オルバニー校などが名を連ねている。
IBMは、いくつかの市場セグメントで特定のソフトウェアパートナーを惹きつけるとともに、同社製ソフトウェアをLinux on Power用に移行しようとしている。同社はLinuxWorldで、DB2データベースソフトウェアの次期バージョン「Stinger」のデモを行なった。Stingerは64ビットPowerプロセッサ上で稼動し、Linuxオペレーティングシステム(OS)の最新2.6カーネルを利用する。
Stallingは、まもなく新しいソフトウェアパートナーを発表できるかも知れないと示唆した。「我々は、SAPと密接に協力しながら、LinuxとPowerを利用してどんなことができるかを探っているところだ」(Stalling)。SAPのソフトウェアは、経理や在庫管理などの重要なビジネス業務で広く使われている。
Linuxは、XeonやPentiumなどのIntelのx86系プロセッサや、Advanced Micro Devicesのx86互換Athlonプロセッサを搭載したコンピュータで最も普及している。Intel製プロセッサを使用したIBMのxSeriesサーバシリーズは、IBMにとって、Linux OSへの足掛かりとなった製品だ。
しかし、IBMではその後Lunixの導入をさらに進めており、まずメインフレームで、そしていまではPowerプロセッサベースのpSeriesおよびiSeriesサーバでもLinuxが動くようになっている。なお、これらのシステムでは、IBM版のUnixであるAIXかOS/400のどちらかが動いていることが最も多い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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