根無し草的なライフスタイルと大胆不敵なハッキングで知られる「さすらいのハッカー」、Adrian Lamo被告(22)が8日(米国時間)、The New York Times社のコンピュータネットワークに不正侵入した罪を認めた。
同被告はニューヨークの連邦裁判所で開かれた公判で、The New York Timesのコンピュータを損壊し、同社に5000ドル以上の損害を与えたとされる容疑について、有罪を認めた。Lamo は5日に行われた電話インタビューの中で、検察当局との司法取引の一環として罪状認否を行うとし、次のように語った。「(司法取引に応じなければ)自分の家庭が完全に崩壊してしまう。私は常々、自分の行った全ての行為の結果を引き受ける用意があると述べてきた」(Lamo)
Lamoはこの司法取引で、6カ月から1年間の服役に同意したが、Naomi Buchwald米連邦地裁判事の最終判決は、4月8日の公判で言い渡される。
Lamoは8日の公判で同判事に対し、「一線を越えてしまったとの認識はあった・・・心から後悔している」と語った。
Lamoは、2002年の2月から4月にかけて、The New York Timesの社内コンピュータネットワークに不正侵入した罪を認めた。当時The New York Times が確認したこの不正侵入で、Lamoは従業員の社会保障番号などの記録を閲覧できたという。また記事の情報源やコラムニストたちの連絡先なども閲覧できたと語っており、その中には元米国大統領Jimmy Carterや元海軍大佐Oliver Northといった著名人も含まれていた。
Lamoのもう1つの容疑は、The New York Times が保有する、Lexis-Nexis用アカウントを濫用したというもの。Lexis-Nexisはニュース記事などを検索できる商用データベースサービスで、Lamoはこのサービスで、同紙のアカウントを利用し、大量の検索を行ったとされる。
当初検察は、請求額はおよそ30万ドルに達したと主張していたが、8日には3万〜7万ドルへと引き下げた。
2003年8月に、LamoはFBIへの自首する直前、CNET News.comとのインタビューの中で、2001年12月に米MCI WorldCom、2001年10月に米Microsoft、2001年9月に米Yahoo 、2001年5月に米Excite@Homeにそれぞれ不正侵入したことを認めた。Yahooのシステムに侵入した際には、同社サイト上のニュース記事の改竄が可能だったと述べている。
これらの不正侵入は、コンピュータ詐欺濫用防止法(Computer Fraud and Abuse Act)に抵触する可能性がある。同法は、権限なくコンピュータに故意にアクセスした者、あるいは与えられた権限を逸脱した者に対し、罪状に応じて罰金と懲役1年〜5年の刑罰を課している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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