米Microsoftと米BEA Systems、米Tibco Softwareは7日(米国時間)、Webサービス間のイベント通信仕様「Web Services Eventing」(WS-Eventing)を公開した。この仕様は、アクションのトリガーにイベントを利用するアプリケーションの開発簡素化を狙ったものだ。
たとえば、あるビジネス用アプリケーションでは、製品の在庫補充というイベントが生じると、それを受けて出荷ラベルや送り状の作成といったアクションが発生する。したがって、開発者はWS-Eventingに基づくツールを使うことで、株価が特定の価格になるとそれを知らせる電子メールを送信するといったWebサービスを構築しやすくなる。
この技術が製品に組み込まれれば、開発者はあるイベントを登録して自動的に応対させたり、やり取りの条件を設定したりすることが可能になる、とWS-Eventing仕様の策定者らは述べている。
3社の声明によると、この仕様は、複雑なビジネス用アプリケーションを含め、さまざまな機器や状況で利用できるようになっているという。
WS-Eventing仕様は、拡張マークアップ言語(XML)をベースとするWebサービス技術を用いて、Tibcoや米IBMなどのメッセージング用ミドルウェア製品にある「公開・登録」機能の多くを再現している。Webサービスは、多くのメーカーによるプロプライエタリなソフトウェア同士の橋渡しとなり、分散したシステムをつなぐ標準的な方法を提供することを目的としたものだ。
3社は、WS-Eventing標準を業界の標準団体に提出し、採用の検討を求める予定だ。しかし提出時期や、どの標準団体に仕様を提出するのかについては、明らかにしていない。
Webサービス調査会社米ZapThinkのアナリスト、Ron Schmelzerによると、この技術が実現すれば、Tibcoのシステムから、Microsoftの.Netシステムを使って記述されたアプリケーションに通知を送るといったことが可能になるという。
WS-Eventingの仕様は、SOAP(Simple Object Access Protocol)などのWebサービス標準や、WS-Reliable Messagingを含む現在提案中の他の仕様とも、問題なく機能するよう設計されている。WS-Reliable Messagingは、MicrosoftとIBM、Tibco、BEAが昨年公開した仕様だ。
しかしIBMは、WS-Eventing仕様の策定には参加せず、同社製品のなかにこの仕様を統合するつもりもない。IBMとMicrosoftは複数の重要なWebサービス仕様で協力しており、両社は各種の標準で、本来の目的である相互運用性を確実に実現すると公約してきていることから、IBMがWS-Eventingの開発プロセスから外れたことは注目に値する。
今回のケースでは、IBMは自社独自の技術を優先する判断を下したと、同社dynamic e-business technology部門のディレクター、Karla Norsworthyは説明している。同氏は、IBMが独自に開発する標準が、他の3社による標準と相互運用性を持ったものになると期待していると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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