サンフランシスコ発--米Apple Computerの秘密主義は、ふだんは社員食堂のメニューでさえ公表したがらないほど徹底している。そんな同社が8日(米国時間)、自社データセンターの内部を公開した。
Appleは、自社製品が大企業にふさわしい証拠を示そうと、膨大な数のApple製品を使って業務が運営されている様子を見学者に公表した。
今回の内部公開は、今年のMacworld Expoの「Mac IT」プログラムのなかで、Apple製品がエンタープライズ市場で果たす役割を説明するための試みとして行われたと、見学者の案内役を務めた同社シニアITディレクター、Dean Rallyは述べている。
Rallyによると、Appleの中央データセンターで大黒柱の役目を負っているのがXserveで、このラックマウント型サーバを使ってウェブページ、ファイル、アプリケーションを提供しているほか、認証サービスやセキュリティ管理も行っているという。
実は、同社では米Sun Microsystems製サーバ数台を利用して、電子メールシステムなどの運用を行っている。また、米IBMのAIXオペレーティングシステムが動作するサーバも数台ある。
ソフトウェアに関しては、Microsoft Office for the Macも使ってはいるものの、電子メール、インスタントメッセージング、ウェブブラウジングなどのデスクトップ作業の大半には、自社製品を使っている。エンタープライズアプリケーションに関しては、長年独SAPのソフトウェアを使ってきており、また顧客管理(CRM)にはPeopleSoft 8を、売上予測には米i2製のソフトウェアを利用している。
データの管理について、AppleではIBMや米EMCのストレージ製品のほか、自社製のXserve RAIDも使っている。同社は以前EMCの大口顧客だったが、ここ数年はIBM製品を採用するようになり、また今年中には作業の大半をXserve RAIDに移行する計画である。
同社のストレージに関するニーズの3分の1はEMC製品が対応しており、IBMのSharkは36%以上、同社のFastTは約18%、そしてXserve RAIDシステムは12%以下となっている。しかし、本会計年度末までには、Appleは自社データの半分以上をXserve RAIDに移行し、Sharkシステムは同社の全データの30%、FastTおよびEMCはそれぞれ10%の分担にしたいと考えている。
Appleはまた、iTunes Music Storeなどのインターネットサービスの運営にも、自社のハードウェア製品を多用している。同社のオンラインサービスを動かす機器の約75%は、XserveおよびXserve RAIDであると、Rallyは説明した。「また、それ以外に、Sunのマシンも数台ある」(Rally)
これほど大量のMac製品を使用することから得られる大きな利点の1つは、セキュリティ面の心配が少ないことだとRallyは説明し、深刻なウイルスがMac OS Xに感染した例はないと付け加えた。
同氏はまた、Macなら管理の手間も少なくて済むと述べ、同社のヘルプデスクにはわずか27人しか担当者がいない点を指摘した。これは、1人の担当者で433人の社員に対応している計算になり、米Gartnerの推定を基準にすると、ふつう企業が必要とするヘルプデスク要員の半分から4分の1の人数で済むことになるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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