米Microsoftは米国時間5日、MSBlastワームを除去するツールをリリースした。悪意のあるプログラムに感染した個人ユーザーのPCが、いまだにネットワークを混雑させているとの苦情が、インターネット接続サービス業者(ISP)から寄せられたことを受けての対応となる。
「MSBlast」あるいは「Blaster」と呼ばれるワームは、昨年8月から広がり始め、何十万台ものシステムがこれに感染したと言われている。Microsoftが発表した声明によれば、ほとんどの企業ユーザーはワームを除去したが、 個人ユーザーのなかにはいまだにワームに感染したことを知らない者が数多くいるという。
「こうした状況にある大勢のユーザーにとっては、PCの性能が多少落ちる以外に、感染したことを知らせる手がかりはほとんどない。また、感染したシステムは依然として活発にワームを送信しており、それが原因となってインターネット上でトラフィックの渋滞が起こっている」と、Microsoftは声明のなかで述べている。
ワームは、ネットワーク経由で無防備なコンピュータに感染していくプログラムだが、2001年夏にCode RedとNimdaがWindowsベースのコンピュータに攻撃をしかけて以来、Microsoftにとってワームは禍の元となっている。2001年9月11日のテロ攻撃の1週間後にコンピュータシステムを襲ったNimdaの流行で、Microsoftはセキュリティを最優先課題にすることになった。そして、この取り組みの一環として、Microsoftは4カ月後に、Trustworthy Computing Initiativeを発表した。
しかし、Microsoftの開発者は、この件に関してずっと手をこまねいてきた。2カ月以上もWindowsの開発作業を止めて、プログラマがコードをチェックしたにもかかわらず、その後もセキュリティ上の欠陥が次から次へと見つかり、悪意のあるワームの作成者に悪用されてしまっている。
1年前には、Slammerワームが、WindowsサーバとMicrosoftのSQLデータベースソフトをインストールしたマシンの間で、あっという間に広まった。また、昨年8月から9月にかけて大流行したMSBlastワームは、脆弱性の発見からわずか23日でこれを悪用し一気に広まってしまった。
Microsoftはその後、「Protect your PC」というウェブサイトを立ち上げ、個人ユーザーがコンピュータの安全性を高める手助けをしている。また、MSBlastワームやSoBig.Fウイルスの作成者に25万ドルの懸賞金をかけている。
最新ツールを発表したMicrosoftの狙いは、家庭で使われている多くのコンピュータからワームを除去し、それによってISP経由のトラフィックを減らすことだ。
なお、同ツールはMicrosoftのダウンロードサイトから入手できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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