定期入れはもう、いらなくなるかもしれない。なぜなら、携帯電話機が定期券になるからだ。
東日本旅客鉄道(JR東日本)は12月19日、Suica機能を搭載した携帯電話「モバイルSuica」の実証実験に先立ち、報道陣にデモンストレーションの様子を公開した。実験はJR東日本の社員を対象に、2004年2月から夏頃まで行われる予定だ。
モバイルSuicaの実証実験は、NTTドコモが発表したFeliCa搭載携帯電話端末の実証実験「iモードFeliCaプレビューサービス」
の一環として行われるもの。NTTドコモはJR東日本に対して、FeliCaを搭載したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のSO504iCと、NEC製のN504iCの2機種を100〜200台程度貸し出すとみられる。
SuicaはJR東日本が提供する、定期券やプリペイドカード(イオカード)機能を備えた非接触型のICカードで、ソニーのFeliCa技術を採用している。Suicaの利用者数は4月に600万人を超え、現在は「改札利用者の約40%がSuicaを利用している」(JR東日本)という。
N504iCを使ったデモの様子。携帯電話のバッテリ側に非接触ICタグが搭載されている | |
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JR東日本では自動改札機を通る際の通信距離や処理時間などの性能を測定するほか、端末のかざし方などの利用方法について検証を行う。実験は実際の駅の改札を使って行われる予定だ。
携帯電話にSuica機能が搭載されることで、プリペイドの残額や利用履歴が携帯電話の画面で見られるようになる。JR東日本では、現在の改札機に変更を加えずにサービスを提供したいとしている。
「サービス開始は1、2年後」
ただし、実際のサービスが始まるのは少々先のことになりそうだ。東日本旅客鉄道 総合企画本部 経営管理部 次長の山田肇氏によると、モバイルSuicaのサービスが提供されるのは1、2年後という。最も大きな問題は、どうやって携帯電話にチャージを行うかだ。
現在使われているSuicaカードの場合、券売機や精算機でチャージを行う。しかしモバイルSuicaでは、iモードを通じたオンラインチャージが基本になる予定という。そのため、オンラインチャージを行うためのセンターを構築し、既存システムとの連携を図る必要があるというのだ。
JR東日本ではサービス開始後の利用者数の予測などは明らかにしていない。また、今回のシステム構築への投資額なども明らかにはされなかった。
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