米Apple Computerは18日(米国時間)、QuickTimeマルチメディアソフトウェアの新バージョン、QuickTime 6.5をリリースした。ワイヤレスネットワークを介したビデオの作成・配信・再生機能のサポートが追加されている。
AppleのQuickTime製品マーケティングディレクター、Frank Casanovaによると、QuickTime 6.5では高速3G(第3世代)ワイヤレスネットワークを完全サポートしているという。
QuickTime 6.5では、CDMA(Code Division Multiple Access)2000を使用するワイヤレスネットワークのメディア標準、3rd Generation Partnership Project 2(3GPP2)がネイティブサポートされている。CDMA標準は、高速ワイヤレスネットワークに使われている2大技術の1つ。Appleは今年7月、GSM(Global System for Mobile Communications)ネットワークで用いられるもう1つの主要高速メディア標準、3rd Generation Partnership Project(3GPP)にも同様のサポートを行なっている。
またAppleは同日、日本の携帯電話会社第2位でCDMA 2000通信キャリアのKDDIが、QuickTime 6.5を同社ネットワークのマルチメディアフォーマットとして採用したことも発表した。日本の携帯電話市場でトップを走るNTTドコモも、すでにQuickTimeを採用する契約をAppleと結んでいる。NTTドコモはGSMネットワークを使用している。
「Appleは、大手マルチメディアソフトウェアプロバイダとして、初めて3GPP2コンテンツ制作・再生ツールを提供した。我々は、これに関わる重要な企業すべてと提携している」(Casanova)
Appleでは、標準に基づいたマルチメディアサポートにより、プロ用、アマチュア用ともにコンテンツ作成ツールで最大手となっている同社製ハードウェアやソフトウェアの売上を伸ばす狙いだ。同社は昨年リリースしたQuickTime 6でMPEG-4(Moving Picture Experts Group)標準をサポートし、この戦略に大きな一歩を踏み出している。
QuickTime 6は、Appleのウェブサイトからのダウンロード数が約1億7500万を数え、同社が米America Onlineと結んだ(AOLのソフトウェアの最新バージョン、AOL 9 Optimizedでの)バンドル契約でさらに何百万部も配布されるなど普及が急速に進んでおり、KDDIとの契約もこうした背景を受けたものだとCasanovaは述べている。
Casanovaによると、QuickTime 6.5では、携帯電話ユーザーがビデオクリップの撮影や編集、そしてKDDIのネットワーク経由でそれをアップロードができる、家庭用ビデオ制作ツールを備えているという。さらに、商用プログラマがFinal Cut ProなどApple製の市販コンテンツ制作ツールを使って、KDDIのネットワーク経由でコンテンツ配信できる機能もある。
「日本には、ワイヤレスコンテンツ企業が何千もある。主要なプロバイダはみな、QuickTimeコンテンツを制作している」(Casanova)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」