NTTドコモ、非接触ICチップを搭載した携帯電話の実証実験を開始

永井美智子(CNET Japan編集部)2003年12月15日 19時13分

 NTTドコモは携帯電話にソニーの非接触ICカード技術「FeliCa」を搭載させ、新しいサービスを展開しようとしている。その実現に先立ち、フィールド実験を12月17日から開始すると発表した。

 実験の名称は「iモードFeliCaプレビューサービス」。実験にはサービスを提供する企業27社が参加する。ドコモはFeliCa搭載端末「N504i」と「SO504i」をそれぞれ2500台、合計5000台を各事業者に貸し出し、フィールド実験は事業者ごとに行うという。

 各事業者は従業員や顧客会員などにFeliCa搭載端末を配布し、実際の店舗などで利用してもらう。これによりサービスの運用方法の検討や利用動向の確認、今後のアプリケーションの展開等について検証を行うという。実験は2004年夏頃まで行われる予定だ。

エーエム・ピーエム・ジャパンの実験イメージ

 参加企業としては東日本旅客鉄道(JR東日本)や電子マネーのEdyを提供しているビットワレットのほか、クレジット会社のジェーシービー(JCB)やソニーファイナンスインターナショナル、コンビニエンスストアのエーエム・ピーエム・ジャパンやローソン、Eチケットを扱うイープラスやぴあ、全日本空輸(ANA)などの名前が並んでいる。

 12月17日より実験を行うのはJCBだ。JCBは2003年2月より社員を対象にFeliCa搭載端末を配布する。入館・入室の際のカードキー代わりに利用するほか、クレジット決済ができるようにするという。後者については、クレジット番号などのデータを携帯のICチップに書き込むのではなく、チップの番号と個人データをJCBのサーバ上で照合する形をとるとのことだ。

 JR東日本やANAも利用者の一般募集は行わない。ANAでは2004年2月より社員を対象に200台のFeliCa搭載端末を使い、成田空港にて実験を行うという。Eチケットを購入し、iモード上で国際線のチェックインを行うとiアプリが起動してICチップにチケットデータが書き込まれる。空港ではチェックイン機のICカードにかざせば搭乗券を受け取れるという。JR東日本も2004年2月から夏頃まで実験を行う予定で、自動改札機通過時の性能測定や、自動改札機通過時の利用方法の検証を行うとしている。

 一般向けに利用者を募集する企業としては、ソニーファイナンスインターナショナルやエーエム・ピーエム・ジャパンなどがある。ソニーファイナンスインターナショナルはFeliCaを使ったオンラインクレジットサービス「eLIO」を提供しており、今回の実験では携帯電話からでも安全に商品を購入できる「Mobile-eLIO」のモニターサービスを行う。参加者はeLIO会員の中から募集するという。エーエム・ピーエム・ジャパンでは同社のサイト「club ap」の会員を対象とする。FeliCa搭載端末でEdyと同様に買い物ができるほか、500円以上購入した顧客には着メロが当たるゲームが楽しめるようにするという。

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