米Intelは自社のフラッグシップPCチップを来年早々アップグレードするが、チップ名は現行のものをそのまま踏襲する。
同社に近い情報筋によると、Pentium 4の最適化バージョンである「Prescott」は、そのままPentium 4の名前で販売されるという。Prescottチップは、マルチメディアのパフォーマンスを向上させる13種類の新しい命令を搭載し、既存のPentium 4シリーズよりも高速に動作する。
Intelはこれまで、新しい命令の搭載に合わせてプロセッサの名前も新しくしてきた。1999年登場のPentium IIIは、70種類の新しい命令が搭載された以外、発売時はPentium IIとほぼ同じものだった。
だがその後、IntelはPentium IIIのパッケージを変更し、高速データアクセス用のリザーブメモリであるキャッシュを同プロセッサ上に統合した。
Insight 64のアナリスト、Nathan Brookwoodは、「いつもさほど大きな差はないが、今回はハイパースレディングに一段と力を入れて売り込むだろう」と語った。ハイパースレディングにより、チップはより多くのタスクを同時に処理できるようになる。この技術は、サーバやワークステーションでは既に市場デビューしているが、デスクトップには1年ほど前に出てきたばかりだ。
「これをPentium 5としたら、同社はPentium 4と比べてどこが優れているのかを説明しなくてはならないだろう」(Brookwood)
名前を変えないことで、IntelはPentium 4 Extreme Editionとのマーケティング上の混乱も回避できる。同社の製品ロードマップに今年の夏から加わったこのチップには、2Mバイトのキャッシュが搭載されている。現行のPentium 4シリーズには512Kバイトのキャッシュが搭載されており、またPrescottは1Mバイトのキャッシュを搭載することになる。
Brookwoodによると、大容量キャッシュを搭載したExtreme Editionは、Prescottをパフォーマンス面でも価格面でも上回るだろうという。もしPrescottに新しい名前が与えられ、番号の大きい名前が現行のチップよりも遅いと、おかしな状況になってしまう。標準のデスクトップチップが大体637ドルであるのに対し、現行のExtreme Editionチップは現在900ドル以上で販売されている。
Intelはさらに多くのExtreme Editionチップを投入するとしているが、大容量キャッシュ搭載のPrescottバージョンの登場は早くても数カ月後となるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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