Red Hat Enterprise Linux 3(RHEL 3)が、これまでで最も広範なLinux標準規格、Linux Standards Base(LSB)認定を取得した。これにより、LinuxがUnixと同様の分裂状態に陥る可能性は薄まった。
Linux販売最大手の米Red Hatの主力製品、Red Hat Enterprise Linux 3(RHEL 3)が今週、広範なLinux Standards Base(LSB)認定を取得し、Linuxの標準化に向けた取り組みを大きく前進させた。
Red Hatによると、RHEL 3はLSB Runtime Environmentアーキテクチャ全範囲の認定を取得した初の企業向けLinuxプラットフォームだという。この認定は、各アプリケーションが、異なるLinuxディストリビューション間で移植可能であることを保証するもので、LinuxのモデルとなったUnixでは、この問題が大きな障害となった。
「この認定取得により、LSB Version 1.3向けに開発されたアプリケーションが、x86またはS/390といったアーキテクチャ上で動かせる保証ができたことになる。ちなみに、そのアプリケーションはSuSE Linux、Sunのデスクトップ、Calderaなどでも動作可能だ」と語るのは、Red Hat Europe, Middle East and Africa(EMEA)のマーケティング担当ディレクター、Paul Salazar。「我々はこれが大変重要なステップと考えている。これこそ、まさに移植性と柔軟性の真骨頂だ」(Salazar)。
これまでにも、Red Hatの競合企業が開発した、SuSE Linux、UnitedLinux、Turbolinux、MandrakeSoftなど、数多くのLinuxディストリビューションがLSB認定を取得しているが、これらの企業はIntelプラットフォームに開発の重点を置いてきた。
RHEL 3の認定を受けたアーキテクチャの例としては、IA32、Itanium IA64、 IBM iSeries/pSeries、IBM S/390、IBM zSeriesなどが挙げられる。Salazarによると、Red HatはIBMプラットフォーム向けのLSB認定を取得した初のオペレーティングシステム(OS)プロバイダだという。
LSBは、Linuxの基本部分の多くを規格化したもので、ソフトウェア開発者およびIT業界のメンバーで構成される非営利組織、Free Standards Groupによって管理されている。各企業はこのLSBに、独自に開発した機能を追加することができる。
Linuxが商業的に成功するためには、分裂を回避することが何より重要な課題だ。それはOracleなどのソフト開発企業のサポートを得られるかどうかにある程度左右される。仮に互換性のないLinuxの複数のバージョンをサポートしなければならないとしたら、ソフト開発企業はサポートをためらうだろう。
なお、2002年8月に、Linuxの3つのバージョン--Red Hat 7.3、SuSE 8.0 Professional、Mandrake ProSuite 8.2が、LSBガイドラインに準拠する初のLinux製品として認定されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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