電子投票機の本格導入を進める準備が進むなか、大手電子投票機ベンダー各社は、後ろ盾となる団体をつくるべく協力を進めている。
米Advanced Voting Solutions、米Diebold Election Systems、米Hart InterCivic、米Sequoia Voting Systems、米Election Systems & Software、そして米UniLectは9日(米国時間)、電子機器製品の業界団体Information Technology Association of America ( ITAA )の元に、新たな下部団体を結成したと発表した。
新たに結成されたこのElection Technology Councilという組織は、会員企業が従うべき倫理規定や、一連の推奨標準や保証についてのルールを作成し、セキュリティーのためのベストプラクティスを検討することを約束した。
「我々には倫理規定が必要だ。上位権限者である米国の有権者への報告義務があるからだ」と、Sequoia Voting SystemsのTracey Grahamは語った。
その有権者の側では、セキュリティや、投票結果の正確さに関する実証性、そしてメーカーの政治色に関する最近の批判を中心とした、一連のネガティブ報道を受けて、電子投票についてますます懐疑的になってきている。
電子投票機ベンダーは、オハイオ州ノースカントンのDiebold Election Systemsに向けられた批判の一部を、自分たちにも共通するものとして受け止めている。同社では、自社に不利なセキュリティの報告、共和党に肩入れするCEOのコメント、そしていい加差を暴露する内容のな社内メールがネット上で流通したことを受けての法的な争いなどが続き、批判の的となっている。
連邦政府の投票機更新期限が近づくなか、新たに綿密な調査の対象となっているのは、決してDieboldだけではない。複数の議員が語ったところによると、有権者は投票の電子化に関する懸念を訴えてきており、電子投票にはセキュリティ上の不安があり、開票結果の立証が不可能となりうると考えているという。
ここ数週の間に、米国民の5分の1を代表するひとつの団体が、電子投票機の再評価と、紙による報告を行うメカニズムの導入、または、電子投票機導入の期日の延期を求める行動を起こした。
ITAAは9日に開いた会合で、団体の細則を定め、次回の会合を来月行うことに決めた。3年前の大統領選の折に、フロリダ州ではパンチカード式の投票機を使った投票を実施したが、その開票結果が巻き起こした大騒動を思い出しつつ、ITAAは来月も多くの議題についての話し合うことを約束した。
「ITAAのスケジュールは、非常にタイトだ」と、ITTA代表Harris Millerは言う。「アメリカ国民は来年、非常に重要な選挙を控えている。2000年に経験した困惑や不安を再現を国民は望んでいない」(Miller)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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