「来年の本命株」とされる松下の強みと弱み

 12月も中旬にさしかかり、市場関係者のあいだでは「来年の活躍株」を探る動きがではじめている。そうしたなか、いわゆるハイテク関連銘柄で本命視されているのが松下電器産業だ。確かに松下は非常に好調な業績推移をみせている。しかし好業績の一方で、株価は7月以来ほぼ1400〜1500円のレンジに止まったままだ。その松下の強みと弱みは何なのか。

 松下の9月中間期の連結決算は、営業利益796億円(前年同期比59%増)、純利益231億円(同31%増)と文字通りのV字型回復を果たした。その利益拡大のけん引役を果たしているのが、PDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)、液晶テレビ、DVD(デジタル多用途ディスク)レコーダー、携帯電話などのいわゆるデジタル家電分野の順調な拡大だ。

 さらに、今後こうしたデジタル家電の世界的な本格普及に伴う増産で、同業他社に比べて松下が圧倒的に有利なのは、多くの半導体を内製できる点だ。当然のことながら、DVDレコーダーやPDPなどデジタル家電の完成品ベースにおけるコストの約70%は、各種の半導体が占めている。例えばDVDレコーダーの世界需要は、2003年の約3000億円から2005年には1兆円を突破するとの予測もあり、急成長が見込まれている。したがって、半導体内製化のメリットは業績拡大にとって大きなメリットとなりそうだ。

 一方同社が現在抱えている問題点は、「デバイス部門」と、いわゆる白モノ家電などを中心とした「アプライアンス部門」の売上高の伸び悩みと採算の悪化だ。9月中間期のデバイス部門の売上高は、前年同期比で3%減。デジタル家電の好調に支えられて、半導体・液晶関連が好調だったにもかかわらず、一般電子部品や電子管の低迷が足を引っ張ったかたちだ。現在の同部門の営業利益率は5%程度と低迷している。収益力の低いコンデンサーなどを縮小し、半導体に経営資源をいかに集中できるかが焦点といえそうだ。

 アプライアンス部門の9月中間期の売上高も、前年同期比で2%減となった。自動食器洗浄機など好調な商品はあるものの、コンプレッサーの低迷が響いている。今後中国などから格安な製品が入ってくると予想されるなかで、逆に欧州でどれだけ需要を伸ばせるかがポイントとなりそうだ。

 松下は、9月中間決算の業績好調にもかかわらず、今3月期の通期連結業績予想を従来通り売上高7兆4500円(前期比0.7%増)、純利益300億円の黒字(前期は194億5300万円の赤字)のまま据え置いている。円高やデジタル家電製品の価格下落懸念がその理由だ。これに対してアナリストなど市場関係者からは、「かなり控えめな予想。現状の需要動向、円相場で推移すれば、大幅な上方修正となりそうだ。株価が1500円水準で止まっていることを考えても、来年にかけて株価の上昇が見込めるだろう」といった声が聞こえてくる。

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