マイクロソフトは18日、高齢者や障害者向けの支援プログラム、「Unlimited Potential (UP)」を発表した。これは同社が地方自治体やNPOなどと協力し、これまでITを活用する機会が少なかった高齢者や障害者に向けてトレーニングを実施、その後在宅勤務などの雇用に結びつけるといった支援を行うためのもの。
米MicrosoftのCEO、スティーブ・バルマー氏によると、このUPはマイクロソフトが今年からワールドワイドで展開しているもので、すでに世界の38カ国で82団体と協力し、活動が始まっているという。日本におけるUPの第1弾として、大分県およびハイパーネットワーク社会研究所の協力の下、高齢化が進む大分県で高齢者を対象にしたITトレーニングをすでに開始している。高齢者向けのトレーニングに加え、大分県では障害者自立支援コースやIT研修講師育成コース、遠隔地居住者用Eラーニングコースなどを提供する予定。
「IT技術を利用することで、高齢者や障害のある人は社会と接する機会が広がることになる」とコメントするバルマー氏は、実は自分の父親の耳が不自由となり、コミュニケーションの手段がどんどんサイバー化していったという実体験を述べた。「マイクロソフトには、社会貢献する力がある。IT業界のリーダーとして、ITに縁のない人にもITに接する機会を与える責任があると感じている」(バルマー氏)
米Microsoft CEO、スティーブ・バルマー氏 | |
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調印式では、マイクロソフトのメッセンジャー技術を屈指し、タブレットPC上でサインが交わされた。東京会場でまずマイクロソフト代表執行役社長のマイケル・ローディング氏がサインをし、その後大分県の会場で大分県知事の広瀬勝貞氏がサインすることで、日本初の電子調印式が完了した。
広瀬氏は「このように遠隔コミュニケーションができるのもITのおかげだ。ITを活用すれば、高齢者や障害者が持っているハンディを克服することもできるし、また高齢者が持っている知識や知恵を社会に生かすこともできる」と述べている。
バルマー氏は、「これまでマイクロソフトはあまり政府や地方自治体などと協力することがなかった。しかし業界のリーダーとして、責任を持って政府ともいろいろな取り組みを始めなくてはならないと感じている」と語った。
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