高性能コンピュータ市場でのシェア拡大を続ける米Intelは、既成のパーツを組み合わせてつくるスーパーコンピュータの性能改善に、3600万ドルの基礎研究費を投入することを計画している。
Intelはアリゾナ州フェニックスで開催されるスーパーコンピュータのカンファレンス、「SC2003」に本格的に参加する。
その中で同社は、Advanced Computing Programと呼ばれる研究計画を発表すると共に、Lawrence Livermore National Laboratoryがどのようにクラスタ型スーパーコンピュータ(開発コード名:Thunder)を構築するかについて説明を行う。Thunderは、クロック周波数が1.4 GHz、3次キャッシュが4MBのItanium 2プロセッサを3840基搭載しており、世界最速のコンピュータの1つになると見られている。Thunderの完成予定は今年12月だ。
Intelの高性能コンピューティング(HPC)プログラム担当オフィスマネジャー、Rick Herrmannによると、Thunderの処理速度は20テラフロップス(毎秒20兆回の浮動小数点演算を実行)で、仮にいま動作したとすると、NECのEarth Simulatorに次ぐ、世界で2番目に速いスーパーコンピュータということになる。
16日(米国時間)に発表されたスーパーコンピュータ上位500台のリストで、上位10台のうち4台をIntelベースのコンピュータが占め、また全体でも189台がランクインした。昨年リスト入りしたインテルベースのコンピュータの数は、わずか56台だった。
また最新リストの上位500台のうち、IntelのItaniumプロセッサを搭載したシステムの数は、半年前の19台から32台に増加した。
Thunderの基本的なビルディングブロックは、Itanium 2プロセッサを4基搭載したCalifornia Digital製サーバで、構想から最終的な設置までわずか5カ月しかかからない見込みである。
Intelは、引き続きこの種のシステムを普及させるため、Advanced Computing Programに3600万ドルを投入し、既成のパーツを使ってつくられた大型コンピュータに見られる、長年の技術的限界を取り除こうとしている。
Intelはこの研究計画の中で、サーバーメーカーや大学と共に、アプリケーションのパラレリズム(並行処理能力)の向上、消費電力の削減、システム管理の改善といった問題に取り組む。
この点について、Herrmannは、「解決すべき問題を見極めるまで、3年から5年はかかるだろう」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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