米国の調査会社Gartnerは、2003年度のPC出荷台数予測を300万台引き上げた。だが、同社アナリストによると、状況はまだ予断を許さないという。
Gartnerは7日(米国時間)、2003年の世界におけるPC出荷台数が、1億6430万台になるとの予測を発表した。この数字は、前年度と比べて10.9%増となる。
これまで同社は、今年度予想出荷台数を前年比8.3%増の1億6130万台と発表していた。8月に出されたこの予測自体も、それ以前の予想値を引き上げたものだった。
Gartnerによる今回の上方修正は、予想を上回った第3四半期の世界PC出荷台数を受けてのものだ。
「我々は、第3四半期の結果を好調な売り上げを示すものとみており、その結果、今年度の予想値および第4四半期の予測を上方修正した。だが、全体の展望においては、引き続き慎重な見方をしている」(同社コンピューティング・プラットフォーム・ワールドワイドグループのバイスプレジデント、Charles Smulders)
9月に、2003年の出荷予測を1億4820万台と述べた米IDCも、今後予測値を上方修正するとみられている。なお、IDCとGartnerは、出荷台数の計測に異なる手法を用いるため、結果として予測値も異なる。
出荷台数の予測値がさらに増加したことで、楽観的な見方が生まれても不思議はないが、それでもGartnerは、第4四半期に事態を悪化させる可能性のある要因が、いまだに数多くあると注意を促している。
PCに対する法人需要が弱いこと、消費者への販売の鈍化、そして世界経済の回復の遅れなど、すべてが第4四半期の販売台数に影響を与えかねないという。
Gartnerによると、法人マーケットでの需要は世界的に精彩を欠いており、ただし強いユーロの恩恵を被った欧州だけが販売好調という。
一方、米国の小売市場における在庫レベルは、2002年10月時より2003年10月時のほうが高くなっているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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