近距離無線技術のBluetoothが、社会全体への普及という目標に向け、また1歩前進した。
Bluetoothの利便性に対する批判が続く中、同技術を導入した機器の週当たりの総出荷台数が、今年の第3四半期にはじめて100万台を超えたことが、調査会社IMS ResearchのBluetooth半導体追跡サービスの調べで明らかになった。
一方Bluetoothの普及、標準化を進める業界団体Bluetooth Special Interest Group(SIG)は、扱いやすい新機能が追加され、また接続の質が向上した新規格Bluetooth 1.2を正式採用した。
BluetoothはEricssonがパソコン、携帯電話、PDA、周辺機器などを接続するワイヤーを除去する目的で開発して以来、物議を醸してきた。Bluetoothに対しては、同技術を導入した製品の出荷数は急増しているものの、設定があまりに困難なため、その利便性は限定的、との批判がなされている。
この批判を受け、Bluetooth SIGは昨年の12月、消費者がBluetooth対応機器を箱から取り出してから5分以内に確実に使用できるようにすることを目的とした、「Five Minute Ready」キャンペーンを開始した。Bluetooth SIGが5日に採用した新規格、Bluetooth 1.2には素早く接続設定できる機能が含まれている。
もう1つの重要な改善点はAdaptive Frequency Hopping(AFH)が追加されたことだ。AFHは、一部のコードレス電話や、さらに普及しつつあるWi-Fiネットワークといった、同じ2.4GHzの無線周波数帯を使用する機器との、相互干渉を減らすよう設計されている。
またBluetooth 1.2では、Bluetooth対応のヘッドセットで重要な、音声接続の質を高めるための新しいエラー検出方法が使われており、さらにBluetooth技術の中で最も広く普及している前版のBluetooth 1.1に対応する全ての機器と互換性を有する。
米RF Micro Devicesと米SiliconWaveの半導体ベンダー2社は、Bluetooth 1.2を実装するハードウェア設計者たちを支援するシングルチップBluetooth 1.2の回路設計、UltimateBlueを発表した。低コストのCMOSプロセスを使って生産された同チップは、AFHなどのBluetooth 1.2の機能を備え、32ビットのARM7TDMIプロセッサを搭載している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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