高い評価を受けていた米HP幹部のMary McDowellは、旧Compaqで業界標準サーバ事業の責任者だった人物だ。そのMcDowllが先週(米国時間)、買収に伴って提示された退職条件を受け入れ、HPを去った。
McDowellの退社は、休暇から職場に戻り、Strategy and Corporate Development担当のシニアバイスプレジデントに任命された直後のことだった。新しい地位で、McDowellはHPの企業買収戦略に関与し、最高技術責任者(CTO)のShane Robisonの管轄下にいた。
McDowellは先週「個人的かつ職業上の利益を追求するために」HPを退職したと、HPの広報担当者Suzette Stephensは説明した。Compaq出身の幹部でCompaq時代と同じ責務を与えらなかった者を対象に、HPは買収に伴う退職条件を提示していたが、10月31日はMcDowellがこの条件を受け入れられる最終日だった。
McDowellは今年春から休暇に入ったが、それはちょうどHPがハイエンドコンピューティング部門の組織改革を発表した頃だった。その後8月に、同氏は職場復帰し新しい地位についていた。
HPは、McDowellが新しい地位につくことで、ひとつの商品部門の運営を超え、より広い事業経営の経験を積むことを期待していた、と同社と関係のある情報筋は語っている。また、McDowellが競合他社のひとつに移籍するのではないかという噂が流れていたが、HPの幹部の間ではここ数ヶ月、McDowellは今後もHPに残るだろうといわれていた。
McDowellの前にも、HP幹部のなかから多くの退職者がでている。元Compaq幹部のHoward Eliasもそのひとりで、EliasもMcDowellとよく似た退職条件を受け入れてHPを離れた後、ストレージ関連の競合EMCに転職している。
ここ数ヶ月間の退職者の中には、ほかに、ストレージソフトウェア部門のバイスプレジデントMark Sorensonや、Business Continuity Services担当のダイレクターJohn Jacksonもいる。Jacksonは合併から4ヶ月も経たないうちにHPを退社し、IBMに移った。そして、Compaqの元最高経営責任者(CEO)Michael Capellasも昨年11月にHPを退社し、米MCI--当時はWorldCom--のCEOに就任している。
HP広報担当者のStephensは、HPは多くのCompaqの上級役員を留めることができていると言い、元最高財務責任者(CFO)のJeff Clarke、セールスチーフのPeter Blackmore、そして前述のShane Robisonなどの名を挙げた。「HPの合併後も、経営陣の残留率は前例がないほど高い」(Stehpens)
HPでは、現在McDowellの後任者を探している。後任者選びが済むまでは、過去にHPのエンタープライズシステム戦略を指揮した経験があり、既にRobisonの管轄下にいるPaul Weiskopf がMcDowellの責務を担当する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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