日立製作所(庄山悦彦社長)が10月29日に発表した2003年度(04年3月期)の9月中間連結決算は、売上高が前年同期比3.2%増の4兆414億700万円、営業利益が同67.2%減の202億3900万円、税引前利益が同170.4%増の905億300万円、当期純利益が同5.0%減の53億8400万円と、依然として営業利益が大幅に落ち込む結果となった。
営業利益が大幅に落ち込んだのは、米IBMから買収したハードディスクドライブ(HDD)事業が依然として赤字であることが大きな要因。このため、情報通信システム部門は、売上高が同20%増の1兆532億7900万円と伸びたものの、営業利益が同87%減の53億9900万円にとどまった。同部門のHDD事業を含めたハードについては、営業赤字が153億円となっている。
しかし、八丁地隆・執行役員法務・コミュニケーション部門長は、「7月の時点で中間期の営業利益を150億円と予想していたため、これを52億円上回る結果になった」と強調。「(HDD事業子会社の)日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)の赤字幅が縮小している」という。そのため、通期におけるハードディスク事業の営業損益は、これまでの400億円の赤字見通しに対し、今回の決算発表で200億円の赤字に縮小修正した。「来年度は黒字に転換させる」と自信をみせる。
デジタルメディア・民生機器部門は、売上高が同2%減の5854億1100万円、営業利益が同87%減の7億2800万円だった。プラズマテレビなど映像機器が伸長したものの、白物家電が国内需要の低迷や売価ダウン、天候不順の影響で落ち込んだ。
この他の部門については、電子デバイスが売上高で前年同期比21%減の6075億2900万円、営業損益で36億7500万円の黒字(前年同期は79億1800万円の赤字)、高機能材料が売上高で同1%増の6222億600万円、営業利益が同2%増の92億3300万円と順調に推移。電力・産業システムが売上高で前年同期並みの1兆734億3900万円、営業利益で同29%減の79億3500万円、物流およびサービスが売上高で同13%減6129億6900万円、営業損益で3億9700万円の赤字(同14億5700万円の黒字)、金融サービスが売上高で同9%減の2679億2300万円、営業利益で同56%減の81億9500万円。
なお、通期見通しについては、7月の時点で売上高8兆円、営業利益1700億円、税引前利益1100億円、当期純利益50億円としていたものを、売上高で8兆3500億円、営業利益で1700億円、税引前利益で2250億円、当期純利益で100億円に上方修正した。
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