米SGI、ストレージ市場に低価格システムを投入

 米Silicon Graphicsは28日(米国時間)、Serial ATAハードディスクを使用し、ハイエンドドライブと比較してパフォーマンスは劣るものの、低コストで利用可能なデータストレージシステムを発表した。

 比較的新しい技術であるSATAを使用したSGIのこの製品は、Fibre Channelインターフェースを利用しているハイエンドシステムと、ローコストだがスピードの遅いテープシステムとの中間に位置するストレージの選択肢を企業に与えるものになると、SGIのストレージソフトウェアグループ部長であるGabriel Bronerは説明している。「企業にとっては、妥当なコストで妥当なパフォーマンスを得られる製品。これまでは(ハイパフォーマンスの)ディスクか、それともテープを選ぶかしか、選択肢がなかったのだ」(Broner)

 SGIの新システムはTP9300SとTP95000Sと呼ばれる。同社によると、製品の初回出荷は12月中旬の予定で、基本的な構成のものなら4万ドル以下の価格で販売されるという。

 今回の発表の内容は、保存される情報の価値の変化に合わせて、企業の持つデータを様々なタイプの機器に保存しておく、いわゆる「情報ライフサイクルマネジメント」に向かうストレージ業界の動向と一致している。たとえば、今週のビジネスにとって非常に重要なデータなら、高価なハイエンドデバイスに保管する価値があるかもしれないが、後にはもっと廉価なマシンに移動させてもよい。これがデータライフサイクルマネジメントの考え方の一例だが、この分野で利益獲得を狙う競合相手としては、米Hewlett-Packardや米EMCがあげられる。

 SATAは最近登場した、ディスクドライブとコンピュータを接続するためのインターフェース。このインターフェイスは、ATAという、ハードディスクをデスクトップコンピュータ内部につなぐのに使われる技術を起源としている。しかし、SATAはATAよりも高性能で、まもなく出される新たな仕様では、データ転送レートが1秒につき3ギガビットと倍増する予定だ。

 SGIの話では、新しいSATAストレージシステムは米LSI Logicの子会社である米LSI Logic Storage Systemsが開発したものだという。

 ハイエンドのグラフィックコンピュータで知られるSGIは、売上の低下を食い止めようと悪戦苦闘の最中だ。同社は今年、全従業員の4分の1にあたる1000人を解雇した。SGIは業績回復の希望をストレージ製品に託しており、この9月にはストレージに関する取り組みを開始している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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