組み込みデバイス分野に力を入れる米マイクロソフト

 カリフォルニア州マウンテンビュー発--米Microsoftの未来へのロードマップには、カジノのゲーム台やミシンの設計といった寄り道も含まれているようだ。

 Microsoftは、24日(米国時間)に行なった組み込みデバイス計画のプレゼンテーションの中で、同社のWindows CE.Netオペレーティングシステム(OS)が搭載されたハイテクミシンや、Windows XPの簡易版が稼動する現代的なスロットマシンに言及した。組み込みデバイスとは限定的な機能を持つコンピュータ製品のことで、工場のロボットからMP3プレーヤーまで、幅広い製品を含む。

 Microsoft組み込みデバイスグループのマーケティング責任者、Scott Hornは、同社がシリコンバレーキャンパスで行なったスピーチの中で、組み込みデバイスのカテゴリは巨大で、Microsoftがまだほとんど開拓していない市場だと述べた。

 機器メーカーは従来、自社製品用のソフトウェアを開発していたが、機器が複雑化し、製品を素早く市場に送り出すよう圧力が高まるにつれ、この方法はますます適さなくなってきた。ソフトウェアコンポーネントの標準パッケージを提供し、機器メーカーが必要に応じてコンポーネントを選べるようにする、というMicrosoftのアプローチを採用すれば、ハードウェアメーカーはソフトウェア開発に気を取られることなく、消費者にとって本当に重要な事がらに集中して取り組むことができるようになる、とHornは述べている。

 「MP3プレーヤーや工場の制御モジュールを購入する人々は、ネットワークスタックの性能で製品を選ぶわけではない--顧客は、製品が動くことだけを期待しているのだ。組み込みデバイスメーカーが、「自分ではこれをやりたくない。市販のソフトウェアを使って、製品の本当の差別化に集中するほうがよい」と話すのを、さまざまな業界で目にしている」(Horn)

 組み込みデバイス用OS分野におけるMicrosoftの主な競合相手は、オープンソースのLinux OSだ。Linux OSは、米MontaVista Softwareや米Wind Riverなどの組み込みデバイスソフトウェア専門メーカーが採用している。Microsoft対Linuxの競争はパソコン分野でますます激しくなっているが、Hornによると、組み込みデバイス分野では複数の理由から趣が異なっているという。

 まず、Microsoftは組み込みデバイス用OSでは、完全版のOSの場合よりもソースコードへのアクセス許可に柔軟な姿勢をとっている。同社は、顧客がソースコードに自由にアクセスし、それをカスタマイズしたり、変更したコードを非営利目的で再配布したりできるライセンスプランを複数提供している。

 組み込みデバイス市場では、機器メーカーはソフトウェアの機能を限定するので、ソースコードに対してより寛大なアプローチが成功する、とHornは言う。「幅広いアプリケーション互換性は必要ない」(Horn)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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