英ARM、セキュリティと省エネにフォーカスした新プロセッサ発表

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 カリフォルニア州サンノゼ発-- 携帯電話の機能がさらにコンピュータに近づくなか、チップ設計メーカーの英ARMは、セキュリティ機能を強化し、電力消費量を抑えたチップの実現に向けて進んでいる。

 英ARMは今週、米カリフォルニア州サンノゼで開催中のMicroprocessor Forumにおいて、同社の新しいプロセッサに関する青写真を発表した。この設計図のなかには、ハッキングを防ぎ、ウイルス拡散を抑制するTrustZoneと呼ばれるセキュリティ技術や、Intelligent Energy Managerという節電のためのプロセッサ速度調節機能が含まれている。

 ARM 1176JZと呼ばれるこのチップは、第3世代(3G)携帯向けに設計されたもの。3G携帯電話を使って、ネット上でファイルを交換したり、通常はデスクトップPCで行うような他の機能を使うことが、ますます多くなっていると、ARMでエンジニアリング担当のエグゼクティブ・バイスプレジデントを務めるSimon Segarsは述べている。

 「いまのところ、大量のデータを携帯電話にダウンロードするようなユーザーはいない。だが、通信キャリア各社は、だれかがネットワーク全体を停止させるようなデータをダウンロードしてしまうのではないかと心配している」と同氏は説明する。「音楽データのダウンロードは、また別の問題だ」(Segars)

 TrustZoneは、多くの点で、MicrosoftのNext Generation Secure Computing Platform(以前はPalladiumとして知られていた)と同じように機能する。TrustZoneは、携帯電話内部に機密データやアプリケーションを保護する安全な領域を確保する。クレジットカード番号のような重要なデータは暗号化され、理想的には持ち主や信頼する第三者のみがアクセスできるようになる。同様に、インターネットからダウンロードされたウイルスは、電話機内部の保護された領域には侵入できない。

 Microsoftのプラットフォームのように、TrustZoneもまたコンテンツプロバイダがコピー抑制や防止のためにこれを使うことも可能だと、Segarsは語った。

 携帯電話メーカーやネットワーク運営企業は、さらに強力なセキュリティ機能を求めていると、Segarsはいう。ARMは、自社ではチップを製造せず、キャリアに製品を販売しているわけでもない。しかし、携帯電話業界におけるその役割から、一連のプロセスには加わっている。世界の携帯電話の半数以上が、ARMの設計をベースとしたチップを使用している。

 消費電力を抑える技術としては、Intelligent Energy Manager(IEM)がプロセッサに読み込まれるコードを解読し、電力を消費してプロセッサをスピードアップすべきか、もしくはスピードダウンすべきかを判断する。IEMはまた、利用中のメモリ内のデータを消去することなく携帯電話を休止状態にするスリープモードも備える。

 ARM 1176JZのコアは、2004年の第2四半期にメーカーに向けてリリースされる。ARMから発表された計画では、約1年から18カ月で実際に市場に投入されるという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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