英Vodafoneと米Microsoftの提携について、移動体通信業界が、既存のモバイルWebサービス関連作業を乗っ取ろうとする行為だと受け止める可能性がある、と業界観測筋が予想している。
アナリストたちは、モバイルWebサービスの開発推進に向けたMicrosoftとVodafoneの提携が、数カ月以内には業界に騒動を巻き起こすだろうと予想している。
両社は米国時間13日、Webサービス標準を拡張してモバイルデバイスにも対応させるための提携を発表した。両社によると、これでさらに多くのPCのWebサービスデベロッパーが自社の取り組みをモバイルデバイスに移行しやすくなるという。
MicrosoftとVodafoneは当初、既存のWebサービスアーキテクチャを基盤として両社共同で開発を進め、その後他社にも成果を公開する。業界全体を巻き込んだ作業は、来年1月に開催予定のワークショップから始まることになっている。
だが、こうした新モバイルWebサービス標準の開発に、モバイルコミュニティから多数のベンダーが参加するようになるとの両社の主張とは裏腹に、他社はこの問題に関してほかの業界団体が既に対応を進めていることを指摘し、懐疑的な姿勢を見せている。
アナリストグループのOvumでリサーチディレクターを務めるNeil Macehiterは、「実際、今回の発表は懐疑的な見方をされている。私利私欲を満たすために、既に業界から幅広く支持されているOpen Mobile Alliance(OMA)やThe Parlay Groupから、既存の取り組みを乗っ取る試みだというのが大半の見方だ」と警告する。
Macehiterは「自分たちが確実に最初にこれをサポートできるよう、MicrosoftとVodafoneが同フレームワークの起案者としての立場を活用することは疑いなく、不安は募るばかりだ。1月に予定されている業界ワークショップで最初に登場する内容も、機密性の高い類のものではない」とし、いずれ妥協点を見出すのではないか、とも加えた。
MicrosoftとVodafoneでは、モバイルWebサービスの可能性として、故障車対応会社向けの製品などが考えられることを示唆している。これは、立ち往生してしまった車の運転手が支援を要請すると、このシステムが運転手のIDをトレースして、その情報とバックエンドシステムから入手したデータを元に、一番近くの対応可能な修理工場を見つけ出してくれるというものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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